ちくま新書
日蓮入門―現世を撃つ思想

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  • サイズ 新書判/ページ数 221p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480058553
  • NDC分類 188.92
  • Cコード C0214

内容説明

日蓮主義は、軍国日本において超国家主義者に信奉されるなど、時に政治を動かす危険なイデオロギーともなってきた。だが、実際の著作を読んでゆくと、真の日蓮は、そんな一筋縄ではとらえられない、実に多面的な思想家であることに気づくだろう。政治権力に挑戦する闘う思想家、孤独で内省的な理論家、ユートピアを思い描く夢想家、大らかな現実主義者など。魅力的なその人柄に触れつつ、『立正安国論』『観心本尊抄』『三大秘法抄』などの遺文をひとつひとつ読み解き、多彩で奥深い思想世界を探る。

目次

1 日蓮を読むために(日蓮への接近;生涯と著作 ほか)
2 神話と事実(自ら紡ぐ神話―『種種御振舞御書』;個へ向けられた語りかけ―消息類)
3 闘う仏教者(宗教と政治―『立正安国論』;念仏批判の根拠―『守護国家論』)
4 内省と自覚(佐渡流罪;受難の正当化―『開目抄』 ほか)
5 理想と現実(身延隠棲;未来に賭ける理想―『三大秘法抄』 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゲオルギオ・ハーン

24
平行して読んでいる本の補足を兼ねて読んでみた。家が浄土真宗を信じている身としては「南無阿弥陀仏」の否定は衝撃があったが、本書において南無阿弥陀仏を否定する論理がイマイチよく分からなかったので印象に残った。また、政治と宗教の一致を目指す「王仏冥合」の思想は日蓮と関連のある創価学会や幸福の科学の動きを説明する面もあったので興味深かったが、新書ということもありライトな説明なのでもう少し踏み込んで欲しかった。多様な面があるとしているが、本書だけではまとめきれていないという印象があり、他の本で補足する必要を感じる。2023/04/15

壱萬弐仟縁

24
霊友会・立正佼成会・創価学会等、民衆の心をつかみ、人々の日々の生活を支える力となってきた宗教は、日蓮に由来(012頁)。彼の人生は、佐渡流罪を境に、前期と後期に分かれるという。ゆえに、佐前、佐後と称する(023頁)。39歳のとき1260年。彼は『立正安国論』を撰述、上奏したが、念仏者による実力行使の反撃と幕府の勘気を被り、翌年、伊豆に配流(045頁)。出る杭は打たれたのだ。自らを語ることの多いということは、わたくしの短書評に持論や私生活を織り交ぜるのと似るか。  2014/07/01

クサバナリスト

7
佐藤賢一『日蓮』を読むための事前予習として読んだ。『立正安国論』しかその著作を知らなかったが、その他の著作等に日蓮の推し進めようとしている思想が反映されていることを知った。2021/02/21

かず

7
我が家は浄土真宗なので直接は関係ないのだが、日蓮と浄土教の相克関係について学びたく、本著を読んだ次第。まず感じたのは、日蓮の思想とキリスト教との類似性。といってもキリスト教のことはよく知らないのだけれど・・・日蓮自身は自分を賤民出身と書いているが(本著では否定しているが)、その日蓮が法華経に心酔する中で、現世を撃ち、変革せんとうち立つ様は、そのままユダヤ教におけるユダヤ人やキリスト教徒を想起させる。次に感じたのは、法然に対する見方である。これまで、私は、法然は穏健な思想家と認識していたが(続く)2017/01/29

きゃのん

3
何だか大変な人生を送った日蓮の思想をさっくり解説。激しい念仏批判の裏には法華経への熱い想いが隠されていたとかいないとか。こんな友達いたら嫌だなぁ〜2015/09/24

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