内容説明
つい十年ほど前まで強さを誇っていた日本企業は、なぜ急に弱くなってしまったのか。強さの秘訣とされてきたメインバンク制度や株式の相互持ち合い、株式・土地の含み利益によるリスク回避などの、どこに問題があったのだろうか。そして、終身雇用という労働形態や長期取引を重視する経営手法などはどう変化していくのか。会社制度の原理にさかのぼって危機の正体をあばき、国際比較をまじえて日本型経営の未来を構想する。
目次
第1章 株式会社の現在(株式会社とは何か;株式会社制度の長所と短所)
第2章 株式会社制度の国際比較(会社のトップマネージメントの制度的な仕組み;株主の議決権;会社経営の監視機能;会社買収のルールと実際;会社の株主構成と証券取引ルール;会社運営の実際;会社制度の国際比較のまとめ)
第3章 会社の財産はだれのものか(会社の資本と会計原則;企業の破綻と倒産処理)
第4章 金融不安で日本型株式会社はどう変わるか(金融機関の脆弱化と金融不安;銀行部門の過大な株式保有と脆弱性;金融システムの再構築;企業金融の変化と日本的企業経営への影響)
著者等紹介
深尾光洋[フカオミツヒロ]
1951年生まれ。1974年、京都大学工学部を卒業し、日本銀行に入る。1981年、ミシガン大学で博士号を取得したあと、経済企画庁、OECDに出向。慶応大学商学部教授、日本経済研究センター主任研究員。これまで、金融の国際化がマクロ経済や企業行動などに与える影響を主に分析してきたが、近年は、金融制度の経済分析などにも関心を広げつつある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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