ちくま新書<br> プラトン入門

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ちくま新書
プラトン入門

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  • サイズ 新書判/ページ数 318p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480057907
  • NDC分類 131.3
  • Cコード C0210

内容説明

ヨーロッパ哲学の絶対的な「真理」主義の起源をなす人物として、ポストモダン思想家から最悪の評価を与えられている人、プラトン。しかしプラトンこそ実は、異なった人間どうしが言葉を通して共通の理解や共感を見出しうる可能性を求めた、「普遍性」の哲学者であった。また同時に、哲学の本質的なテーマは、人間の生の原理にかかわることを明確に提示した哲学者であった。プラトン評価を逆転させながら、著者自らの哲学観を明快に開陳する、目から鱗の一冊。

目次

序 反=プラトンと現代
第1章 哲学のはじまり
第2章 ソクラテスからプラトンへ
第3章 イデア
第4章 エロス、美、恋愛
第5章 政治と哲学の理想

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

無識者

8
たまたま高校で北村透谷の「厭世詩家と女性」を高校時代の現代文の先生が扱っていたのでプラトニック愛について飲み込みやすかった。恋愛をすることによって真実を見、酔って、世俗的な仮像にとらわれなくなっていく・・・プラトンの著作を読みたくさせる入門書だと思う。それにしてもソクラテスのほうこそ言葉のレトリックを使って、相手を言いくるめている気がするけれども気のせいなのか。2015/04/20

グスタフ

8
結局、いつの時代でも、われわれは「現代」という時代のメガネをとおしてしか、過去の哲学や歴史を評価することはできない。竹田先生の、まず、生きる欲望エロスがあり、それに基づきわれわれは世界へと結びつくという基本スタンスはここでも変わらない。そのメガネをとおしてみると、驚くことにプラトンその人の「善のイデア」に対する竹田流評価とともに、自覚的にプラトニズムを逆転したニーチェやそれを形而上学の一つの完成として評価したハイデッガーを含めて、そっくり肯定的な評価を得てしまうのだ。2014/04/28

OSUICHIRO

5
プラトンの思想を、ポスト構造主義やポストモダンといったいわば現代思想を経た視点から、批判的な言説を紹介しそれを解消しながら解説する。というのは、ニーチェ以降、プラトンは深刻な誤謬に陥ったとされる西欧哲学の創始者として悪玉扱いされてきたからだ。著者の入門書を読むのはこれで三冊目になるが、どれも非常にわかりやすい。が、このプラトンに関しては特に、批判にさらされすぎているためか、その解消に力点が置かれ、読み味としてはどんよりしている。プラトンの中心的な思想であるイデア論について、現代的な視点で学べるのは嬉しい。2019/05/11

hirayama46

5
はじめての竹田青嗣。いつぞや別の著者の方のアリストテレス入門を読んだので、時代が近い本書を手に取りました。わたしは哲学についてはまったくの無知に近い状態でしたが、本書はややハードルが高い部分がちらほらあったように思えます。それというのも、入門書でありながら既存の「プラトン批判に対する反論」が大きく取り上げられており、批判の概要をあらかじめ掴んでいないと難しいのかな、と思うところがありました。2018/09/07

NICK

4
プラトンにはこれまでデリダのいうところのロゴス中心主義の大元という印象があったのだが、どうにも竹田青嗣の論ずるところではそう一概には捉えがたいようだ。「善のイデア」なるものは単に超越的な真理があるということでなく(竹田の批判する概念の実体的使用)、際限ない言語ゲーム化した哲学的議論の場に一定の公準を与えるものだという。イデアとかうさんくせーとか思っていた自分にはこれは結構説得的な説。哲学(あるいは諸学か)的言説の厳密性を担保するものとしてのイデア。なるほど、ギリシア哲学も奥が深い……2012/05/28

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