ちくま新書
思考のための文章読本

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480057549
  • NDC分類 816
  • Cコード C0281

内容説明

書き手は、思考の生成の現場でいかなる表現上の戦略を組みたてるのか。日本語という万人の共有財と、文体という個々の筆者の私有財との中間の領域に狙いをさだめ、あまたの文例を駆使してその秘密を読み解こうとするたぐい稀な言語的冒険!名文の解析と鑑賞の世界から抜けでた異色の文章読本。

目次

序 思考の形態学
1 単語の思考―単語は巨大な思考単位である
2 語源の思考―原初の宇宙観に立ち会う
3 確実の思考―方法的懐疑と論理
4 全部と一部の思考―反証・量化・代用
5 問いの思考―思考に形をあたえる
6 転倒の思考―視点の転換
7 人間拡張の思考―メディアと技術の見方
8 擬人法の思考―どこまでがヒトか
9 特異点の思考―誇張法の系統樹
10 入れ子の思考―思考の原始構成

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

inami

29
◉読書 ★3 本書は、著者がかつて読んだ本の中から例文を紹介し、文章をとおして思考をきたえてみましょう・・という試みになっている。「1 単語の思考」にはじまり「2 語源の思考」・・「10 入れ子の思考」まで10の思考について書かれている。タイトルになんとなく惹かれて読んでみたのですが、ん〜・・んっ!・・んー・・ということで感想がうまくまとまりません(いつもそうですが・・笑)。例文は数多く載っていて、小林秀雄、立花隆、デカルト、サルトル、トマス・クーン、パスカル、カント、今西錦司などなどチョイといけてる。2021/07/16

17
文章の普遍と特殊の間にあるものから思想や思考の型をつかむ、といった趣旨の本。考察の過程は。まるで完成品から設計図へと逆に辿っているかのようで面白い。非常に難しい内容だったので、例文の作品をいくつか読んでから再読したい。2015/07/11

パブロ

7
む、難しい…。でも、私が読みこなせたかどうかは別にして、とっても面白い。文体の違いや文章上達法など、文章の書き方・読み方の文章読本は数あれど、文章から人がいかに思考を巡らせているかついて論じている文章読本なんて初めて。だって第1章から文章についてではなく、単語の考察からなだしね。さらに語源へさかのぼり、文章の視点が変わることの効果、擬人法から誇張法まで、私たちが何気なく使っている文章が、いかに戦略的に使われているかを読み解いていく。新書の薄さじゃもったいない、この著者にはもっと分厚い本で語ってもらいたい。2013/10/17

ヒダン

6
単語・語源・確実・全部と一部・問い・転倒・人間拡張・擬人法・特異点・入れ子の十種類に思考法を分類し、多種多様な引用によりその理論を裏付けている。思考法については後半、特に9章のカタストロフ(特異点)の思考という、仮定を極限まで推し進めるととんでもない矛盾に陥るという思考法は面白かった。超高層ビルを400階建てまでさらに高層化するとビルはエレベーターと階段のみになるらしい。思考法以外にも、引用の文章の面白さ、著者の考えの面白さもちらほらあってなかなかよかった。2014/10/19

おらひらお

2
1998年初版。すこし力及ばずの感を強くした本でした。少し難しいかな。2012/05/31

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