内容説明
戦後五十年を経て、物質的な豊かさを獲得した一方で、死に関する社会的な意味が、いまほど強まっている時代はない。人は病院、ホスピス、在宅の医療などに“よりよき死”を求めようとするが、医療技術の高度化、効率万能の社会風潮、家族関係の変質などが進行するなかで、その道は容易ではない。「豊かな社会」のさまざまな死の素描を通じて、混迷する時代における生の意味を問い返す。
目次
第1章 死が約された者たち
第2章 死を看取る者たち
第3章 死に抗った者たち
第4章 死と和した者たち
第5章 人はいつ死ぬのだろう
第6章 がん告知に新しい風を
第7章 在宅で死ぬこと、病院で死ぬこと
第8章 「豊かな社会」の「美しい死」
第9章 一線病院の風景から―突然死の周辺
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒトミンハルリン
1
人間が死ぬときの病床での様子が具体例をあげて書かれている。逝くまでの1週間の様子、その時の家族の様子など体験しないとわからないことが患者側、医師側の視点で書かれてある。現代医療と日本社会の問題を指摘している点も非常に考えさせられた。2014/08/29
Takana Murooka
0
高校生のときに小論文を書く練習をするためにもらった参考文献リストに入っていた一冊。にも関わらず、絶版となっていて普通の図書館にはおいていなかった一冊。探すのに苦労したけど、なぜかどうしても読みたかった一冊。