ちくまライブラリー<br> 木村伊兵衛の昭和

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ちくまライブラリー
木村伊兵衛の昭和

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  • サイズ B6判/ページ数 249,/高さ 19X14cm
  • 商品コード 9784480051394
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0372

出版社内容情報

巨匠・木村伊兵衛の眼が写しとった「昭和・街と人」200点を集め、コンパクトにまとめた写真集。

内容説明

焼跡から立ち上る庶民のエネルギー、子供たちの明るい笑顔、変貌する都市、失われていく路地裏の風景。なつかしい街の貌が、人々の姿が、ここにある。

目次

庶民の暮し〈戦前・戦中〉
復興の槌音〈昭和20~24年〉
変貌する街〈昭和25~30年〉
戦後が終わって〈昭和31~39年〉
ゆたかな昭和〈昭和40年以降〉

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホークス

40
1901年生まれの写真家、木村伊兵衛の作品集。戦前〜高度成長期の人たちが生き生きと写っていた。ほとんどの産業、生活、娯楽が人力・手作業だった。腕っぷしや手技がものを言った時代。私や先輩たちの感覚はその影響を受けている。素っ裸で木造船を押す逞しい男たち。継ぎの当たった服で農具を背負った子供の笑顔。大切な何かがあるように見えるが、この懐かしさの裏には、相対化を拒む古い価値観や差別意識がある。支えるのは、その価値観を空気として共有する人たち。主義や宗教では無い。空気の苦手な私はこんな時、日本を不気味と感じる。2023/07/09

きゅー

8
戦前から昭和40年頃までの人々の写真に、当時の様子を解説するエッセイが添えられている。自分の知っている土地の半世紀以上前の姿を見るにつけ、高度経済成長という言葉が思い出される。 2020/12/14

がんぞ

4
被占領時代がもっとも興味深い。学生は学生服を着ているし74「学生結婚」仕送りで長屋を借りているのだろうか新聞を読む夫の若夫人が縁側外で七輪と釜で飯炊きしている‥一面の焼け野原になった東京に占領軍はビル建設を「よほどの例外がない限り」認めなかった。主な建物(と交通機関、ほとんどの自動車)は占領軍が接収、の上に引揚者で人口増加なのでホームレス世帯は多く(皇居が空襲の被害のまま荒れ放題だった由‥。一瞬のスナップ写真が鋭いが「パンパンが煙草を吸いヒロポンを射つ」情景も欲しい。加太こうじ文は「15年戦争」など左翼的2016/05/14

Koki Miyachi

1
「静」の土門拳に対して「動」の木村伊兵衛。対照的な二人の偉大な写真家。全く異なる作風ながら、常にライバル意識を剥き出しにする。木村伊兵衛は、和製アンリ・カルティエ=ブレッソンと謂われるだけあって、手持ちのスナップが神髄。決まった撮影対象があるわけではなく、たまたま目にした風景の瞬間をスパッと切り取る。作為も計算もない潔さ。そこが好きだ。僕ら日本人が忘れてはならない戦中から戦後の昭和大切な過去の人々と街の姿。見ていて愛おしいし、時を経るに従ってますます貴重になってゆくに違いない記憶。。。2012/11/05

勝浩1958

1
33.日本橋:母が息子の手をひいて何処へ行こうとしているのか、映画のワンシーンのよう。73.学生の街:遠くに見える煙突から真っ黒い煙が朦々と昇っている。76.信州の子どもたち:屈託のない笑顔が可愛い。87.傷痍軍人:私が子どもの頃は街中でも時々見かけたことを憶えている。98.神谷バー:酔いが回ったのかそれとも深く悩んでいるのか。138.原水爆反対デモ:有楽町でのデモ、それより山一証券や不二家のビル、どこかのデパートなどがこの頃の東京の街の雰囲気を鮮やかに表わしている。142.房州千倉:海女さんの褌姿2012/05/27

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