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内容説明
子どもの詩や広告コピーを使ってやさしくひもとくことばのふしぎ。ふだんは内容ばかりが気になっていることばも、ふとしたきっかけでふしぎなすがたを現してくる。
目次
第1部 ことばってふしぎ?(ことばの始まり;擬声語と擬態語;絵文字と文字;かくし絵のようなことば;なぜ「辞書」は「ひく」のでしょう)
第2部 詩のことばから子どものことばまで―お母さんのためにも(ことばの力;いろいろなことば;伝えることばと創り出すことば;子どものことば、大人のことば;「語形」と「語の意味」;大人のことばへの異議申し立て)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
163
著者は英語学系の高名な言語学者。本書は、中学生にも分かるように書かれた言語学の、いわば入門書。したがって、専門用語は極力排されている。せいぜいが、擬音語や語形くらいだから、たとえそれらの言葉を知らなくても十分に了解が可能だ。大人の言葉が往々にして統語的、保守的であるのに対して、詩人の言葉、子供の言葉は時に斬新で、破壊的で、したがって言葉の新しい機能を開拓していく。大人は言葉の意味を、子供は言葉の語形を重視する、という指摘も目から鱗。子育て中の人にはいっそうに示唆的な本であるかもしれない。2014/10/23
へくとぱすかる
40
ことばの現況や歴史ではなく、たとえば語形そのものの不思議さに焦点をあてて、あらためてことばについて考えさせてくれた。谷川俊太郎の「かっぱ」、那珂太郎の「音楽」など、何かのテーマによらない現代詩は、もろに言葉そのもの、言葉の感覚にじかに触れられる例だと思う。児童・生徒向きに書かれてはいるけれど、これはまさに言語についての哲学と言ってよいのではないだろうか。2017/02/18
majsan
16
やはり日本語は楽しい、面白い!時々、大人と子どもの会話が入っているのもいいですね!この本を国語の副教材で使ったら楽しいだろうなぁ、きっと…。海外に住む子どもにとって、擬音語・擬態語はとても難しい。本を良く読む子でないと、「そよそよ」「しとしと」と聞いても何のことか分かりません。うちの子にもテーマを決めて、少しずつ読んであげようと思います。2013/06/11
Kikuyo
15
言葉の「感じ」に興味を持っているので、日本語の不思議を再考するのに役立った。 子供は音や関連性に着目し言葉を紡ぐ、大人は主に意味に関心が強くなる。 言葉は何かを伝える手段の一つだが、「言葉が先行することで、新し経験を生み出すこともある。それによって言葉の枠を破り自分の世界が広がっていく」。文章に難しい表現は一切無く小学校の国語の授業(?)のようなわかりやすさ。好印象だった。 「まぶしい声」というのはどんな声だろう…。もっと言葉に関心を持ち、磨いてゆきたい。子供のような言葉の力も無くさないように。2016/01/21
kameyomi
8
元々子ども向けに書かれたものを編集したものらしく、色々な切り口で分かりやすく言葉のふしぎが解説されている。ことばというものは、放っておけば、どんどんひとり歩きをし始めることができるものであり、そのひとり歩きは、良い方向へ向かえば、私たちを今まで知らなかった新しい世界へ連れ込んでくれるが、悪くすると、言葉に使われ、はっきりした見通しもなく、うろうろするばかりになる、という見解に考えさせられた。2023/02/09