内容説明
古本屋の店頭で毎日のようにくりひろげられる人間模様。なぜか古本のまわりには、奇妙な話、泣かせる話、ぞっとする話などドラマがいっぱい。ほんとうなのか、ウソなのか、にわかには判じ難い出来事を絶妙な筆致で描き出す。古書店を営みながら、作家デビューをはたした出久根達郎が自分自身の体験を書き綴った初期作品を中心に選んだ古本アンソロジー。
目次
古本のほこり
店主敬白
金次郎の愛読書
紙魚風発
古書往来
古本屋過去帳
面白い本「あった会」その後―あとがきにかえて
著者等紹介
出久根達郎[デクネタツロウ]
1944(昭和19)年、茨城県生まれ。1973年より古書店「芳雅堂」を営むかたわら文筆生活に入る。92年、『本のお口よごしですが』で講談社エッセイ賞を、翌年、『佃島ふたり書房』で直木賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
158
どうもどこかで読んだことのある文章が出てきたり、ということであとがきを読むと昔出した2冊の本から抜き出して出版したもののようです。私は古本や古本屋の話しが好きなので何度読んでも楽しくなります。普通の本屋と違ってこのような話の種がいくつもできるというのは古本だからこそなのでしょう。やはり奇人・変人の部類が幾人も登場しますね。読んでいて時間を忘れるくらい楽しいです。2016/01/28
Koning
36
むぅ、更新ボタンおしたら消えてたパターンにやられたorz。古書店経営のなかで出会ったあれやこれやの人や物(本ですな)にまつわる随筆集。古物商だからこそって話は骨董商の随筆と同様やっぱりありますなー(汗。そして、当然ながら古書だからこそのいやらしいやり取りもあったりして。本って文化をどう捉えるのか?ってところで余分な事を色々と考えちゃったりする1冊でした。2016/02/29
lovemys
6
面白いな。古本屋さんでは、色々な時代の色々な人の人生が行き交っているのだなと思った。垣間見える人生の一部が、忘れがたい物語になっている。なんだろう、このホンワカした気持ち。出久根さんのエッセイを読むと、心が何処までも広がって、渦を巻くような気持ちになる。色々な感情が浮かび上がってきて、胸がいっぱいになる。深い深い読書をした気分になれるのに、サクッと読めてしまう。心が満たされるエッセイ。2021/06/06
ふみえ
6
古い作品を集めたものだったのね。どうも読んだことがある気がした。でも何度読んでも古本の話は面白い。それにしても出久根さんはよく『~会』なるものを結成するもんだ。2016/04/18
Kawazu
3
作者の出久根達郎さんが実際に経験した、古本にまつわる不思議な体験や笑える体験などを書き綴った本。古本はここまで奥が深く、興味深いものなのかと改めて感じた。最近はブックオフなどの台頭で町の古本屋が消えてきているが、無くならないで欲しいなと思った。古本や古本屋好きの方はぜひ手にとって欲しい一冊です。2013/04/20