内容説明
表題作品の『百鬼園俳句帖』、「俳句全作品季題別総覧」など俳句全作品をはじめ、六高時代の恩師素琴先生や俳諧一夜会の想い出を綴った随筆、漱石俳句の鑑賞、座談会による「俳句帖漫評会」など、百鬼園先生の詩眼の鋭さと俳心の妙味を余すところなく伝える一冊。
目次
素琴先生
一夜会
海鼠
今朝冬
名月
百鬼園俳談義(口述)
運座
俳句放談
代作
漱石俳句の鑑賞
オセッカイ評釈
百鬼園俳句帖
俳句全作品季題別総覧
百鬼園俳句帖漫評会
著者等紹介
内田百〓[ウチダヒャッケン]
1889‐1971。小説家、随筆家。岡山市の造り酒屋の一人息子として生れる。東大独文科在学中に夏目漱石門下となる。陸軍士官学校、海軍機関学校、法政大学などでドイツ語を教えた。『冥途』『旅順入城式』など著書多数。1967年、芸術院会員推薦を辞退。本名、内田栄造。別号、百鬼園
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感想・レビュー
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やま
9
内田百聞が漱石の弟子とは知っていたが、俳句に熱中していたとは迂闊にも知らなかった。 俳句は破調が多く、後の解説でもあるように切れが弱い気がするが 取り合わせがきわめてユニークで面白い。俳句もさることながら、漱石の俳句の鑑賞が見事だ。鑑賞の書き方のお手本としたいと思うほど。2018/11/18
いきもの
3
俳句はよくわからぬが、滑稽であったり不気味さのある句は好きだ。2020/11/30
Kazuki Eguchi
2
随筆同様、飄々とした俳句が多いように感じました。俳句そのものより、句作にまつわるエピソード書いた随筆のほうが好きでした。2013/02/17
yunomi
2
百間の俳句については、解釈が難しい句が多くて中々理解出来なかったりするのだが、夏目漱石の俳句を論じた「漱石俳句の観賞」はものすごく面白かった。ほとんどテキスト論的な解釈を試みている箇所もあって、百間の批評眼の鋭さが窺える。学生時代に書いたという夏目漱石論も読んでみたい。2011/08/11