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ちくま文庫
たらちおの記―内田百〓集成〈13〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 313p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480038937
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

「私は飛前岡山古京町の志保屋と云う造り酒屋の一人息子である。私が中学を出る前に家が傾き、父は病死して、酒倉も家屋敷も人手に渡ったが、子供の時に我侭勝手の仕放題で育った事が禍をなして、後年飯も食えない様な貧乏をしたのであろうと思う」(「たらちおの記」より)。早くに亡くなった父の姿を描く表題作をはじめ、幼年時代の思い出、古里岡山のことなど懐しき日々を味わい深くつづった随筆集。

目次

虎列刺
風の神
琴書雅游録
烏城追思
稲荷
水心
山屋敷
たらちおの記
竹島
大般若〔ほか〕

著者等紹介

内田百〓[ウチダヒャッケン]
1889‐1971。小説家、随筆家。岡山市の造り酒屋の一人息子として生れる。東大独文科在学中に夏目漱石門下となる。陸軍士官学校、海軍機関学校、法政大学などでドイツ語を教えた。1967年、芸術院会員推薦を辞退。酒、琴、汽車、猫などを愛した。本名、内田栄造。別号、百鬼園
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いきもの

1
百鬼園先生の古里岡山についての随筆集。郷愁に満ちた過去の思い出、どこかでふっと現れる幻想。思い出のなかだけで語られる不思議な存在。2018/09/15

Yoko Narano

1
岡山の古京町出身の百閒先生。「古京の子にはごこうえんの後楽園は一生忘れる事の出来ない夢の園である」というくだりに、思わずほろり。後楽園は昔は御後園と呼ばれていて、近所の子どもたちは裏門から潜り込んで遊ぶことができたそうだ。何もかも夢のような情景いろいろ。お稲荷さんが怒っているから、ということにして町内でお祭りをして、その実、隣人のプライドを傷つけずに窮乏を救う話は、昔の人の知恵なのかと味わい深かった。2017/01/31

かんたろう

1
あまり語られなかった百けんの両親のことが良く分かった。小さい時は本当に造り酒屋のお坊ちゃんだったんだな。その後の借金を重ねた生涯と重ねあわせるとなんとも言えない感慨を覚える。岡山の風景や幼い時の話を良く記憶していて百けんが本当に岡山が好きだったことがよく分かる。晩年に岡山に行かなかったのは本人が言っているとおり幼い時の記憶を大事にしたかったためなのか、それとも他に理由があるのか・・・。日本三大名園と言われている後楽園の昔の姿がわかって面白いが、鶴がお弁当を狙ってのっしのっしとやってくる姿はちょっと怖い。2013/12/31

Daisuke Yagi

0
随筆より幻想小説の方が興味深いです。 日常への感性は素敵だなぁと思います。2022/02/07

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