内容説明
風雅とは何だろうか。幽玄とは?美とは?花鳥風月の真髄とは?日本の文化はどのようにして成熟してきたのだろうか。平安時代の和歌に始まり、茶の湯、現代の政治やアートまでを例にとり、“由緒正しい日本の美”を『枕草子』や『源氏物語』の現代語訳でお馴染みの橋本治が伝授する。
目次
花の名前は知らねども(男は大人;大人の三十 ほか)
鳥のように(理屈は正しくこねなければならない;文化と家元制度 ほか)
風の音を知れ(虚実皮膜とリアリティー;表現とメディア ほか)
月見れば千々に心は乱れても(サラリーマンと近代;第三の時代 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロミ
13
フリーダムな美学論。花鳥風月の章に分かれるが、花鳥まではほとんど鎌倉時代までの和歌の話で、風月からそれぞれの日本文化の美学についての論が展開される。かなり読みにくくてもう3回くらい読まないと理解できない点もあるかも…。千利休が秀吉を馬鹿にしていなかったか?という論では意外な見方でヘェ〜と思った。橋本さんは茶道についての評価が低いようだが、ここに書いてあるのは橋本さん流の見方なので本書を読んでそれぞれが美について考えるきっかけになればいいのではないかなーと思った。2015/03/21
まりにゃ
5
1988年刊行の本書。NHK『あの人に会いたい』に触発されての、初・橋本治。桃尻語が苦手なので、かなり悶え苦しみながら読む。何度も途中放棄しようかと葛藤しながら、それも悔しいので頑張って読破。1カ月以上かかった(涙目)。理屈こね回す行為は嫌いだが、たまにさすがの聡明さが伝わってきて、読後感は悪くない。特に、実朝・定家・後鳥羽院などの『新古今』『百人一首』や、終盤の『源氏物語』は趣き深かった。2020/01/23
2n2n
4
『人間というものは厄介なもので、苦労しないと”面白さ”というものが分からない訳で、”面白さが分からない”のレベルにいる人が、すべてのものを”つまんないもの”に変えてしまうというだけです。(pp.217)』2011/01/22
lobking
4
源実朝の歌に初めて触れる事ができて嬉しかった。この機会を与えてくれたこの本に感謝。2010/04/11
たみや
2
中世、近代の日本の雑学としてみても面白いのですが、構成で見ると更に面白いです。二章である「鳥のように」の一節、”理屈は正しくこねなければならない”は、尻の言葉を拾っているだけのように見えて、構成を図にしてみると大変解りやすくなっており、「これは信頼できる文章だ」と思えたので読み終わるまで時間はかかってしまいましたが、読んで良かったと思える本でした。2013/12/08