内容説明
SMクラブで、お風呂場で、アダルト・ショップで、性にまつわるすべてを検証。前立腺マッサージ体験、投稿雑誌編集部訪問、SMスカトロ・プレイ鑑賞、ブルセラ女子高校生インタビューなど、欲望の深奥に迫る。「セックスを突き詰めることは、混迷を極めるこの社会を解釈することでもあり、人間はなぜ生きているのかを模索することと同意である」。横丁の性科学者の単行本デビュー作。
目次
第1章 エロ街道をゆく(性をめぐる旅に出るその前にエイズ検査へ;「保健所でナンパ成功率大」とは本当か;至上の快楽!?前立腺マッサージ体験記 ほか)
第2章 正しいバイブレーターの使い方(女性とバイブの秘めたる関係;まずはバイブを買いにお店へいこう;アダルト・ショップのお客さまとは? ほか)
第3章 性器末SM入門編(翔子女王さまの聖水は健康な味だった;はたしてSMは健康にいいのか?;SM娘にとってのSEXとは? ほか)
著者等紹介
松沢呉一[マツザワクレイチ]
1958年生まれ。音楽から宗教、著作権まで何でもこなせる器用なライターのはずだったが、いつからか性風俗関係の仕事ばかりのライターに
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
乙郎さん
7
90年代、今以上にアングラだった性産業の世界について当時30代前半だった筆者が記した初の単著。とにかくこの時代の空気が感じられて良い。写真はほとんど載ってないのだけれども、あの時代のエロ本に載っている様がありありと思い浮かぶというか。無意識的にも読んでいた男性読者がその後ライターやブロガーになるといったことも多いはずなので何気に影響は大きいかもしれない。ただ、ラスト2本のア⚪︎ルやス⚪︎トロのレポは女性のトラウマに集約されたのが少し残念。2024/02/05
袖崎いたる
3
尿療法なる言葉を知る。飲尿のカルチャーは民間療法ながら、医術の一環として流布された時代があったのだな。著者はそれをやってすこぶる調子が良いそうな。使うことはあっても飲することはなかったが、ちょっと検討してみようか。2022/11/21
roku7777
3
松沢の処女著作らしい。サブカルとしてエロを追及していく松沢の「楽しそう」なところが好きだ。一時期は松沢の文章にうんざりしたこともあったのだけどこれはなんかバランスが良くとっても楽しめる出来だった。2018/10/17
わす
2
初対面の相手が全裸では興奮しなかったのが、服を着始めた途端に興奮したという体験談が面白い。芸術はヌード、ポルノはネイキッドってそういうことか。女性がパンツを隠すようになって以来パンチラへの性的なまなざしが一般化したという、井上章一の指摘にも通ずる。また、初出の93年頃に日本のコンドーム人気が高かった背景には、欧米では早くからピルが普及して、コンドームの進歩が止まったという背景があったらしい。それまでコンドームは性玩具に近い日陰の存在だったのが、HIV蔓延でイメージが変わったという。2023/09/22
caniTSUYO
2
15〜20年前の話のせいか、エロルポの語り口も、作者が体験しているプレイ自体もフレッシュな感覚が無かった。 それは作者の体験したプレイやエロルポが業界としてのスタンダードとなったせいで、当たり前の用に受容してしまったのかもしれない。 いや、エロは時代を越えて普遍的だからフレッシュさを感じないのかも。 SM健康法、キリスト教会バイブちょっといい話は思わず噴き出してしまいます。 スカトロシスターズによるレズSMスカトロプレイの話は壮絶ではあるが、シスターズの片割れが卯月妙子というのに妙に納得してしまっ2010/11/07