内容説明
昔話ほんらいの不可思議な魅力に、詩人ペローの優雅でエスプリのきいた語り口、したたかな諷刺精神が加わった大人が楽しめる物語。表題作をはじめ「赤ずきんちゃん」「青ひげ」「長靴をはいた猫」など子どものころ親しんだ昔話の再話も、その鋭い時代精神と柔軟な才気があらためて驚きを呼ぶ。序文や「ろばの皮」など韻文作品3編を含む完訳。19世紀最大の挿絵画家ドレの美しい銅版画を多数おさめた。
目次
過ぎし日の物語集または昔話集・教訓つき(眠れる森の美女;赤ずきんちゃん;青ひげ;猫先生または長靴をはいた猫;妖精たち;サンドリヨンまたは小さなガラスの靴;まき毛のリケ;親指小僧)
韻文による昔話集(グリゼリディス;ろばの皮;おろかな願い)
著者等紹介
ペロー,シャルル[ペロー,シャルル][Perrault,Charles]
1628‐1703。フランスの詩人、評論家。1671年、アカデミー・フランセーズ会員に。ギリシア・ローマの古代を尊重する思潮に反発し、近代派として「新旧論争」の口火を切った
巌谷国士[イワヤクニオ]
1943年、東京生まれ。東京大学卒、同大学院修了。明治学院大学文学部教授。フランス文学者、評論家、紀行作家
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感想・レビュー
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野の花
3
眠れる森の美女の最後は、王子様が現れてお姫様が眠りから覚めてハッピーエンドと思っていたけど、ペローのお話は違うのね。こんな猟奇的な話が続くとは思いもしなかった。今度このバレエを見に行くのでちょっと読んでみました。2018/12/02
uburoi
0
童話集ではなくて昔話集であるところ、ポイントだ。韻文作品集の「グリゼリディス」や「ろばの皮」の猟奇的な欲望を露にする王たちとそれに対する純真なこころの女性たちの対比、そしてやさしさを武器とした戦いに心打たれる。ロバの皮にもサンドリヨンと同じ名付け親が登場する。こっちは魔法の出来がいささか間抜けだが、ペローは教訓で「天賦の才を生かすには名付け親がいなければ」といっている。これはまさに大河ドラマの家康と万千代(後の井伊直政)の関係だった。家康より万千代の名を賜ることで井伊の存在感を示していくのだから。2017/11/27
シンリ
0
ペロー版の色々詰め。よく聞く話とは細部がちがってて面白かった。2014/07/17
M a i n *゚
0
marchen聴いて読みたくなったw 借2011/05/21
ひさこ
0
5682022/05/27