内容説明
老人力とは何か?物忘れ、繰り言、ため息等、従来ぼけ、ヨイヨイ、耄碌として忌避されてきた現象に潜むとされる未知の力。20世紀末に発見され、日本中に賞賛と感動と勘違いを巻きおこし、国民を脱力させた恐るべき力。あの笑えて深い名著が正続2冊あわせて文庫に。
目次
おっしゃることはわかります
物忘れの力はどこから出るのか
「あ」のつく溜息
食後のお茶の溜息
老人は家の守り神
老人力満タンの救急車
下手の考え休むに似たり
老人力胎動の時期を探る
ソ連崩壊と趣味の関係
中古カメラと趣味の労働〔ほか〕
著者等紹介
赤瀬川原平[アカセガワゲンペイ]
1937年横浜生まれ。画家。作家。路上観察学会会員。武蔵野美術学校中退。前衛芸術家、千円札事件被告、イラストレーターなどを経て、1981年『父が消えた』(尾辻克彦の筆名で発表)で第84回芥川賞を受賞。宮武外骨、3D写真、老人力などのブームの火付け役でもある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
60
ろうじん・りょく〔老人力〕物忘れ、繰り言、ため息等従来、ぼけ、ヨイヨイ、耄碌として忌避されていた現象に潜むとされる未知の力。――・がついてきた〔老人力・――〕ぼけ、ヨイヨイ、耄碌の婉曲表現。2015/03/02
たか
50
ひと昔前に流行った本。 なかなか面白い発想だった。加齢とともに出るマイナス面をユーモアを交えて、プラス思考に発想転換する。 『老人力』を学ぶことにより、世の中がもっと生きやすくなると思った。C評価2018/12/22
はまだ
36
「飲んだ水を全部サルトルした」「宗教に言われるから清貧までは理解する。でも侘び寂びは無理だ」「ワインの味は論理では終えないものだから、様々の現実の断片を持ってきて照合させている」「うわァ背水の陣だった」の中でいいのは、最初のやつと最後のやつです。落ちてから気づいてるからね、背水の陣。あとがないから頑張れるのに、そうとは知らなかったからね。すごいなー。この言葉を知っていたいですね。素晴らしかったというか感心なんかとかは別に、すばらしいなと。モテたいんですけどねー★4.52018/06/13
かっぱ
31
赤瀬川さんの訃報の前に何となく購入していたもの。こんなに面白い本を読まずにいたのが惜しい。若いころは過激な前衛芸術家であった赤瀬川氏ですが、根は大人しくて引っ込み思案、年齢とともに、そちらに近づいていった感じがあります。元々、発想自体が軟らかいというのか、あまり難しくなり過ぎないように、路上観察のメンバーとともに、「ガハハ」と笑い飛ばせるように持っていく力が備わっておられます。それもこれも共に笑い合える仲間があってのこと。2015/01/10
90ac
26
老人なのですぐに目に付いた。エッセイはほとんど読まないのだけど「全一冊」に惹かれて購入。合計33話。やっぱり飽きてしまうなあ。連載中で毎回1話ずつなら面白かったかもしれない。しかし続けて読むとどうしても同じ話などが出てきてくどくなる。後半、つまり2冊目はやはりパワーダウンです。で、老人力ですが、最終的にこの力が付いた方がいいのか、付かない方がいいのか、分からなくなった。「まだまだ出来る・・」は老人力ではなく「若い力」。「老人力」はやはり「ボケ」なんでしょうから不要ですね。と言っても勝手に付いてくるし。2014/12/27