感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
荒川ながれ
5
1998/4/23 初版 ちくま文庫 坂口安吾 ロジャー・パルバース著 この物語が気に入って、英語だとどう表現されているのだろうと古本屋で購入。文法は平易だが、いくつかの英単語が平易ではないので、見比べながら読了。巻末の訳者ノートを読むと、かなりしんどい作業だったようです。しかし、欧米人を魅了してしまう物語だ。訳者は安吾を日本に欠けていた洗練された鋭いアイロニーの文学と評している。これ舞台で表現するのは無理かな。ジブリで高畑勲監督でやったら面白かったかもしれない。2024/01/01
衣魚
2
原文と英訳が並べてあり、そのあと訳にあたって気をつけた訳者の話が載っている。元より好きな話だからどんな風に訳されたのか、おもしろかった。日本語をより好きになれたよ。2009/11/15
壱萬弐仟縁
1
堕落の意味は、訳者によると、「堕落したした者でさえ救われる、一度死んだ者も再びよみがえる」(p.189)。このことばは、服役囚や、人生をやり直したい、あるいは、3.11震災復興の犠牲者において妥当するのではないか。そして、桜を英訳していくことがいかに困難か、パルバース氏の「喧嘩」の英訳も非常にことばの選択に苦慮するなど、大変だと思った。2012/05/08
haruka
0
英語では読んでいません
J_L_B_459
0
坂口安吾の風刺やブラックユーモアは西洋人にも共感できる、とする作者による翻訳。後半の訳者ノートに載っている、英語的発想の解説が参考になる。そこの部分も作者自身による日本語で読みたかったが、残念ながらそこは翻訳らしい。ロジャー・パルバースが「最初から」日本語で文を考えたらどうなったか。余談だけど「面倒みたいの」のエピソードが面白かった。2012/01/19