内容説明
甲府勤番に左遷されて、なお悪行を企む神尾主膳。その邸に身をひそめ、夜ごと辻斬りにでる机竜之助。はからずも竜之助と結ばれる、驕慢な馬大尽の娘お銀様。からくも囚われの獄を脱出する宇津木兵馬。兵馬を慕う娘お松。さらには、もと女芸人お君、異形の槍の達人米友、盗賊がんりきの百蔵等々、悪縁善縁があやなして甲府に展開される人間模様…「如法闇夜の巻」「お銀様の巻」「慢心和尚の巻(一~七)」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こうすけ
17
4巻に来て、大菩薩峠をめぐりやっと物語が一回りする。懐かしのキャラクターたちも再登場。あの人まで出てくるとは思わなかった。机竜之助も、ここへ来て初めて人を斬る理由めいたことを語る。それがかっこいい。本筋に戻った感じ。登場人物たちに起こる変化も甚だしく、楽しく読める。 先日、実際の大菩薩峠に行ってみたが、雨のため麓でリタイア。斬り殺されなくてよかった。2020/06/26
ソングライン
15
甲府の街で何のためらいもなく若夫婦を斬り、八幡村で十八歳の村娘を殺める机竜之介、一方裕福な名家秘蔵の名刀をだまし取りその娘お銀をかどわかす神尾主膳。気鋭の甲府勤番支配の駒井能登守もお君の美しさに心奪われ、神尾主膳の企みの前にあえなく屈してしまいます。悪業がまかり通る渾沌にめまいを感じつつ次巻へ。2023/08/04
ジュール
6
4巻目。甲府が舞台。盲目の机竜之介の辻斬り。牢に入った春馬、お君の出世、不思議な和尚の登場、物語の幅がどんどん広がる。2019/08/11
Terry Knoll
3
登場人物同士が偶然出会う小説。 机竜之助の登場場面が少なくなってきました。 (青空文庫より) 2015/12/03
Auristela
1
ムクがいるだけで七兵衛がその館に近付けないという設定からみるだけでも、お伽話の要素が非常に強いのが分かる。そして、この巻から残虐性が色濃くなるが、救いの道も同時に示されることになるのだろうか、、2014/01/05