内容説明
古代の筏で太平洋を漂流する―人類学上の仮説を自ら立証した冒険の記録。奇抜な着想と貴重な体験、ユーモアあふれる文章で大評判になった古典的名著の文庫化。
目次
学説
探検隊の誕生
南米へ
太平洋横断
途の半ば
南海の島々
ポリネシア人たちの間で
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
50
自分の学説を実証するために筏で太平洋を横断したノルウェーの人類学者ヘイエルダールの探検記。乗員の選定、航海のための準備と、航海だけでなく出発するまでの話もとにかく面白い。六人の乗員は、研究に専念するだけでなく、ギターを奏でたり絵を描いたり、本を76冊持ってきて全部読み終わるまでは上陸しないと決めていたりと、孤独な航海中の自分自身の対処法をしっかりと身につけ、自分以外の者がしていることに理解を示すことのできる‘大人の集団’だった。暑い夏にむけて、元気になれるわあ。 2016/07/06
Ribes triste
7
子どもの頃から好きです。古代ポリネシア人の起源は南米であるとの仮説を立証するべく、6人がいかだ船での太平洋横断する冒険記です。サバイバルのはずなんですが、読んでいて面白く、元気になります。本当にあった話なのが凄いです。2016/04/01
AR読書記録
6
久々に,子どものようにドキドキワクワクしながら読みました.こんな無謀な冒険に,一片の悲愴感,覚悟も感じさせることなく飄々と立ち向かう精神に,驚きそしてあきれます.が,こういう愛すべき冒険野郎どものおかげで,人間にとっての世界は広がってきたんですね.そして私にも,けして自力では見ることのできない,驚くべき様々な海の姿を教えてくれました.読んでよかった! あと,無線をちょっとやりたくなったりもする...2010/09/01
ホレイシア
3
これを読んでいたから、中学1年の課題に「ビーグル号航海記」が出ても楽勝だと思ったんだよね。とんでもなかった。
Junya Akiba
2
「コン・ティキ号」、名前は聞いたことあるけどよく知らなかったので読んでみた。ポリネシアへの人類伝搬のルートを探るべく、自身が5人の仲間と筏を作成し、南米ペルーから貿易風にのって旅立つ。記述は詳細で、驚くほど楽観的。水と食べ物(魚)には困らず、シイラやサメとたわむれる。特に危険なサメの目の前に餌を見せておちょくりながら筏の上に誘導して尻尾を手掴みにして捕らえてしまう、といった船上でのエピソードは最高!2016/04/30