ちくま文庫<br> かみそりの刃〈上〉

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ちくま文庫
かみそりの刃〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 322p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480030047
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

主人公ラリーは空中戦で自分の命を救ってくれた友軍機の戦友が自分の目の前で死ぬのを見て人生の意義に疑問をいだき、人生探求の旅に出る。そして婚約者イザベルとの別れ…。第二次世界大戦中、アメリカで執筆され若き青年たちに驚異的な反響をもってむかえられた感動の長編小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ27

34
精神生活の崇高さをさりげなく、ややシニカルに描いたこの作品、大昔読んだ時、何が面白いのやら?だった。今読むとラリーとエリオット、その元カノがうわべはブルジョアっぽい事をぬかしつつも高等遊民的生活に首まで浸かっている風情が目に浮かぶようで楽しい読書となった。トリビアを捲ると、モームがこれを著わしたのは70歳頃。人間の絆で評価を得た後、悠々自適な人生回顧の境地でペンを取ったのだろうか。何れにしても大英帝国からアメリカを大恐慌の時代にどんな想いで見ていたかも感じられる。下巻が楽しみ(筋は完璧に忘却の彼方・・)2015/05/23

ふぁきべ

6
モーム最高の作品というと間違いなく「人間の絆」だが、一番のお気に入りを、というならこの作品を挙げたい。戦争での経験が切欠で精神的生活に傾倒するようになったラリーと滑稽な程に通俗的なエリオットという対照的な二人の人物が物語の中心をなす。他の小説と比べると俗物に対する皮肉は控え目で、むしろ暖かささえ感じさせる。ただ、やはりこの対照的な二人を作品の中心に据えたのは、通俗化していく世の中への掣肘の意味があったように思えてならない。また作品とは関係がないが、現代人に最も欠けている要素は精神的生活だなとしみじみ思った2014/05/01

壱萬弐仟縁

4
ラリーは、「人生なんて、いったい意味があるのか? それとも、ただ盲目の運命がつくり出す悲しい過誤にすぎないんじゃないかと、ついそうした疑いも湧こうというもんじゃないかな」(99ページ)。振り返ると、良くも悪くも、運命の悪戯もあることはあったな。タイミングや判断のまずさで方向が変わる。イザベルは、「一生死ぬまで、あくせく働いてなくちゃならない」(146ページ)と不満を吐露するが、庶民はしょうがない。SBCラジオで今、あらすじ本を語られているが、結構技巧が優れているらしい。大著の要約。感想も要約する時代かな?2013/02/12

masawo

2
女性の人物描写に定評のあるモームだが、本作では男性主人公の描き方が光っており、過剰になってしまいがちな人物造形が絶妙なバランスを保っている印象。小説らしい小説は久しぶりなので、とても楽しんで読んでいる。下巻は果たしてどうなるのか。2018/08/25

oanchan

2
地位や名誉や経済力を求める人たちと、自分と向き合って悟りの境地に至った人との人間関係が淡々と描かれている。あまりにも淡々と書かれていて、本を読んで眠くなることがない私ですが、何回か眠くなった。(^^;。下巻へ。2016/08/24

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