内容説明
人はなぜ日記をつけるのか、日本人の日記に天候の記載が多いのはなぜか。六十二年間という世界最長の日記を遺した野上弥生子、女性遍歴をあたかもスケッチのように綴った竹久夢二をはじめ、永井荷風、古川ロッパなどの日記を中心に、読みどころと隠された秘密を探る。
目次
手探りの活字日録―『葛原勾当日記』
飾られた真実―『樋口一葉日記』
こころの屑籠―『蘆花日記』
略して記さず―荷風『断腸亭日乗』
情念の坩堝―『劉生日記』
愛の餓鬼―『夢二日記』
無謬の人―『野上弥生子日記』
今日を生きる―『伊藤整 太平洋戦争日記』他
千両役者の苦い喜劇―『古川ロッパ昭和日記』
日記の研究
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gen Kato
2
日記好きなので、その裏読みや考察を読むのは楽しかった。けれど、樋口一葉や野上彌生子に関するあたり、いささか女性に対する偏見がちらつくあたりちょっと引っかかる(「己れの現実離れした要求水準に照らして物足りない男性を批判的に見るわりには、自ら与えようとする発想の乏しい現代女性」とかね)。荷風や劉生の分析は興味深かった。2019/03/29
あ
0
期待してたのと違った2017/05/05
orange21
0
日記研究というジャンルがもっとあってもよさそうなものだよなとは思った。著者のことは存じあげないが経験に依拠した推論と断定が年配を思わせる。あとがきの香山リカの突然さは笑ったが、流行ってたんだな、と。2013/04/04
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