ちくま文庫<br> ヒトの見方

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ちくま文庫
ヒトの見方

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  • サイズ 文庫判/ページ数 350p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784480025906
  • NDC分類 469.4
  • Cコード C0145

内容説明

解剖学者である著者の仕事はモノを見ること。じっと見ては考える。ヒトの顔はどうして皆違うのか?ヒトにはなぜヒゲがないのか?対象ばかりでなく、対象を見ているヒトも視野に入れて考える。そうすると、還元主義に陥った今日の自然科学の不都合がわかるものだ。簡潔にして明析な文体で認知科学・進化論などを語った科学エッセイ集。

目次

ヒトの見方について
形を扱う
機械論と機能論
科学の作ったバベルの塔
脈絡のある事実
人体のイメージ
生物学と自由―渡辺慧『生命と自由』
世界の緊張関係―森政弘編『生きもののデザイン』
私の視覚―大森荘蔵『新視覚新論』
剰余とアナロジー
顔の見方
ヒトにはなぜヒゲがないのか
形態と機能からみた人間
単純なる前提―丸山工作『筋肉のなぞ』
縦断的な方法―小野三嗣『ひげの科学』
丈夫な哲学の必要―香原志勢『人体に秘められた動物』
進化と進化論―生物と人間における時間の超克
形態学からみた進化―進化の要因論と過程論
進化は歴史である―G.C.シンプソン『馬と進化』
「真理は1つ」という誤解―今西錦司『主体性の進化論』柴谷篤弘『今西進化論批判試論』
進化を見る―D.アテンボロー『地球の生きものたち』
トガリネズミからみた世界―形態から推理する
ネズミのヒゲと脳
わが始祖、食虫類に魅せられて
人は慣れる
にわか坊主
虫が好く
虫の楽しみ
われらが内なる「虫」
チョウを見る―海野和男『チョウの世界』
レオナルドの解剖図展
鴎外とケストラー

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はすのこ

7
話題がどんどん飛ぶ。エッセイとして読むと大変面白い。2016/01/13

ひばりん

5
文学好きとしては、「鴎外とケストラー」の章に刮目しました。鴎外の文学活動は、西欧の自然科学という「毒」に中った人間が起こす「下痢」の一例ではないか。鴎外は、自分のストレス発散のために文学していたように思われる節がある。そのストレスの元は、自然科学者としての「イライラ」であろうと・・・そういう風に養老先生は、同業者として喝破してみせるのです。成程。まぁ、射精なのか下痢なのかで、私だったらもう少し躊躇しますけれども、ズバッと後者を選ぶところが実に養老先生らしい / 筒井康隆氏による「解説」も読みどころか。2021/01/12

K

4
心理学的な本かと思いきや解剖学の本だった。猫のヒゲにあたるのか人間の表情筋という話にはなるほど。2016/02/11

ほわわん

3
この本だったか、解剖学教室のほうだったか忘れたけれど、善悪の脳波が一緒というのに中学生は大きな影響を受けたけれど、あと全ては理解していませんでした。きっと今読み返しても、私の壁が情報を遮断しちまうのだろうなと悲しいのです。中学生の時にも養老さんの本みてた事に驚き。2015/05/09

さちめりー

2
養老先生の初めての著作であろうエッセイ集。論文を日本語で書きたくなったとのことらしく、内容も専門的な解剖学の話が主。文体も昨今の平易でわかりやすいものではないため流し読みになってしまった。その後にだんだんと凡人にも伝わるようなわかるような文体にずいぶん寄せてきてくれたのだろう。ここから養老先生の数々の出版が始まったのかと思うと感慨深い。2021/10/19

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