内容説明
ナンセンスで、くだらなくて、安手で、下品に甘くて…でもそれはまるでドヤ街で思いがけず柔らかいベッドに沈んだような、ウーンと唸ってちょっとはしゃぎたいような気分にさせてくれるもの―。猥雑さとその哀しさ、そこから生れる切ないユーモア。色川文学の根底に流れる感覚すべてを、そんなジャズソングへの永遠の憧れを通して自ら語った名エッセイ。
目次
イズント・ジス・ア・ラヴリィ・デイ
イエス・サー・ザッツ・マイ・ベビィ
アラビアの唄
フウ?
チョイと出ました四人組
鼻唄ソング
フォー・ユウ
貴方に首ったけ
ひとり者のラヴ・レター
昔はよかったね
チャイナタウン・マイ・チャイナタウン
シカゴ・ザット・タドリング・タウン
マイ・アイデアル
ジーズ・フーリッシュ・シングズ
プランを変えて
アム・アイ・ブルー?
暗い気分を振り捨てろ
ミス・ニューオリンズ
コケット
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がんちゃん
1
語り口がいいなぁ。こんな大人になりたい、こんなおじいちゃんになりたいなと思ってしまう。博識を自慢するわけでも、ことさらにひけらかすわけでもなく、まして国家とか権威とか世間とかに忖度することもなく、自分が楽しいと思えることをほんとに楽しそうに語る。だからそれを聞いているこちらも楽しくなってしまう。自分の言葉を持っていて、自分の言葉で語れるって、ほんと凄いことなんだなぁ。それに文中で取り上げられている昔の曲をユーチューブで気軽に聞けるのもほんとありがたい世の中になりました。2021/05/02
笠井康平
0
趣味悠々。
el
0
ジャズについてのエッセイ集で、知らない固有名詞が多すぎて読み進めるのに時間がかかってしまった。再録の短文が素晴らしかった。サブスクなんかで検索して聴きながらまたゆっくり読みたい。和田誠の挿絵が素敵です。2019/07/25