ちくま文庫<br> ブライヅヘッドふたたび

ちくま文庫
ブライヅヘッドふたたび

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 534p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784480024510
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

1924年、オックスフォード大学。勉強熱心で真面目なチャールスは美しくて奔放な青年貴族セバスチャンと出会い、その魅力にひきつけられていった。二人の間にはすぐに友情が生まれ、チャールスはセバスチャンの家族が住むブライヅヘッドの城を訪ね、その華やかな世界の魔力にとらわれてゆく。一方、セバスチャンは酒浸りの生活となり、やがて倒錯した愛に溺れはじめる。イギリス貴族一家が崩壊していくさまを、一人の男の視点から抒情豊かに描いた名作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネムル

22
作品のテーマにカトリックが深く根を下ろしているため、この作品がわかったという実感がいまいちない。また、必死に理解しようという意識もいまいち起きない。がしかし、懐古調ののんびりした物語を十全に楽しんだ。自分の信仰のまま戦地の衛生に携わるコーデリアや、ウォー好みの信仰に無縁で愚鈍な俗物など印象深い人物が多く出てくる。が、信仰から取りこぼされたセバスチアンとジュリア、この二人と語り手との無為なる者への慈しみが強く胸を打つ。宗教の奥にある、無為なる者への友愛こそが作品の一番の読みどころだと感じた。2020/08/07

ゆーかり

7
カトリック作家としてのウォーの代表作。やはり英グラナダTVシリーズの表紙と吉田健一による翻訳に限る。

kaoru

6
皮肉屋ウォーが唯一書いた抒情的な小説。二つの大戦の間に青春を過ごしたチャールズ、・ライダーとイギリスのカトリック貴族一家の交流を通じて現代世界が失ってゆく高貴な精神を描く。セバスチャンのモデルはウォーの友人ヒュー・リゴン。吉田健一の訳が素晴らしい。チャールズと愛し合う美しいレディ・ジュリアより、地味な妹コーデリアのウィットと深みのある人柄に魅せられた。なぜセバスチャンがアフリカにわたったのか、カトリックであることに苦しんだのかはまだわからないが、いつか理解できるようになりたい。2017/07/14

椿子

4
もう戻れない、そして誰も汚すことが出来ないからこそ、過去は美しいのだ、と改めて思った。熊の玩具を抱えているセバスチアンが可愛い。表紙はドラマ版のなのかな?とても素敵な三人の写真です。訳も格調高くて優雅。出てくる人の暮らしぶりが優雅に悩んで優雅に落ちぶれていくので読んでて、大層なことが起こっている、という気がしないのも良い。2010/12/06

のんき

2
第一次大戦後から第二次大戦にかけてのイギリス貴族一家のお話。黄昏の気分と回想という形式ってすごくよく似合う。2010/11/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/23361
  • ご注意事項

最近チェックした商品