出版社内容情報
ドイツ民衆を熱狂させた独裁者アドルフ・ヒットラーとはどんな人間だったのか。ヒットラー誕生からその死まで、骨太な筆致で描く伝記漫画。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
馨
114
漫画なので、サクサク読めました。ヒトラーがユダヤ人を嫌っていることはほのめかしていましたが、ホロコーストのことはほぼ触れていませんでした。メインはヒトラーの政権の内容についてで、めちゃめちゃ詳しく書かれています。 これを読む限りナチスよりもソ連のほうが恐ろしい国だと感じました。2013/03/16
forest rise field
96
ヒットラーとは何を考え、どういう人物だったのか分かりやすかった。また日本の戦時中、ドイツ始め、ヨーロッパはどうなっていたのか?何故に日独伊三国同盟が締結されたのか?それぞれの地政学上からの必要性が理解できた。漫画を通して苦手な世界史に興味を持たせてくれました。水木先生の他の戦争モノも読みたい。2022/08/28
keroppi
86
水木しげるさサンが描くヒットラー。それは、人間ヒットラーだった。芸術的画家を志すヒットラーは、悩み苦しみながら、ゲルマン帝国を目指す。しかし、行き着く先は、多くの死体の山と、果てしない廃墟。水木サンも、その戦場にいて、生死の境を彷徨ったのだ。何故に、その時代そんな世界を生んでしまったのか、水木サンの疑問がこの作品を生んだように思う。2020/03/06
南北
78
ヒトラーの生涯をハニカミヤで誇大妄想狂の青年から始まったとして描き出している。水木作品特有のキャラクターが賞賛するわけでもなく、悪として一刀両断するわけでもない作者の静かな怒りを反映しているように見える。ドイツ民衆が熱狂した理由が見えてくるような気がした。2020/12/25
kokada_jnet
75
近著『後藤修一遺稿集「漫画の手帖」編 我がオタク人生に悔いなし』によると。『漫画サンデー』連載時、高校3年生のヒットラーマニア後藤氏が原案を担当、講談社版の単行本までは、後藤氏のクレジットがあったと。原案通りの「史実にそった」漫画化ということで、政権をとるまでの過程が、異様な熱意で、微細に描かれてる。そのせいか水木イズムがあまり感じられない。ホロコーストが出てこないのは、原案の後藤氏が興味がなかったのだろう。この版等では原案者としての後藤氏のクレジットが消えていて。彼はそのことを非常に怒っていたとのこと。2020/04/26