内容説明
蛇の髪のメデューサ、火を吹くキマイラ、両性具有のスフィンクスといった怪物とともにくりひろげられる、得体の知れない人物ラーオ博士のサーカス。毒性強烈なユーモアと暴力的な詩情を秘めて、読者をひき込まずにおかないファンタジーの名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
魚京童!
18
でもサーカスってこういうものだと思うんだ。2016/05/14
刳森伸一
2
ラーオ博士と名乗る謎の中国人が率いるサーカスの様子を様々な登場人物の視点で描く。物語らしい物語はなく、サーカスの出し物の奇抜さなどが楽しい。ちょっと他に類をみないタイプの小説で、小説というものの幅の広さも知れる。2021/10/20
斑入り山吹
1
たいそう変な本だったが、イヤな読後感ではなかったよ。なにコレ?ってカタログがよい。特にカタログの最後の8が。分かってるんじゃない!?と大ウケ。決して主流にはなれないが、こういう変な本って絶対この世に必要よ。2012/05/25
madhatter
1
再読。いややっぱカタログは要るだろ…それはともかく、解説にあるように、ストーリーが説明できない作品。長編と言うより、むしろサーカスという緩い関連性を有する、連作短編集の趣がある。ありものの幻獣達を使いつつも、彼らにまつわる物語には、著者のどこかエロティックな奇想が炸裂している、とにかく楽しい書物だった。個人的にはウミヘビとエティーオインの対話、ミセス・キャサンとアポロニオスの挿話が好き。特に後者は絶望的な話になりかねないのだが、いずれの国でもオバチャンは強く逞しい…。2010/10/29
fuchsia
1
アメリカの片田舎にやってきたラーオ博士の大サーカスでは神話上でしか知られていない怪物たちが実際に観ることができるというので大賑わい。でも、中にはメデューサなんてのもいたりして・・・。 見物人とウミヘビとの会話がいい感じです。