内容説明
チャールズ・ラトウィジ・ドジソン少年が13歳の時に書いた詩から始めて、二つの『アリス』物語、『スナーク狩り』、『シルヴィーとブルーノ』など主要作品から〈詩〉を摘みとって編み上げた“不思義の国”のアンソロジー
目次
『アリス』のほうへ
アクロスティック
『アリス』より
スナーク狩り
『シルヴィーとブルーノ』より
そしてまたあるときは…
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りえこ
15
可愛らしくイメージのわきやすい詩がたくさんありました。2016/06/21
椎名
6
子供の頃から詩を書いていたのは知らなかった、その頃からの作品が載っているのは嬉しい。アリスだけでなくスナーク狩りもおさえておきたい。2023/09/26
このみ
5
ルイス・キャロルのナンセンスな世界が好きで折々に読み返す詩集。今回は小林泰三「アリス殺し」きっかけ。「スナーク狩り」が一等好き。「アリス」のナンセンスな詩も勿論掲載。原典対照、しかも解説付きなので大変お得。ジョン・テニエルの「アリス」も良いが、ヘンリー・ホリデイの「スナーク狩り」のイラストも良い。「ひょっとしたら、スナークとは狩るべからざる《言語の深層》そのものにほかならず、ベイカーの末路はそれをあえて狩ろうとする者の運命を警告しているのかも」 嗚呼、「さよう、スナークは、たしかに、ブージャムだったのだ」2021/07/21
歩月るな
4
七七年刊行のハードカバー版から八九年に文庫化された詩集。パロディと言うか引っ張ってきてぶった切って、というようなところもある中で、『アリス』などから〈詩〉を摘み取って編まれたアンソロジーで、著者の全詩のうち半分くらいが訳出されている。『スナーク狩り』も入っている。おそらく絶版なのだろうけれど、格好の〈不思議の国入門〉と言うような感じ。センスとノンセンスの間をさまよう原文・訳文・脚注の開かれた対話はかなり高次元。むしろ学芸文庫くさく一筋縄ではいかない。2017/04/19
あかふく
2
キャロルの詩は、ときにシリアス。でもその他多数はたいへんキュリアス。趣味が高じて作家に見られたドジソンの詩にあるのは総じてノンセンス。だから彼は言う「詩人ハ作ラルルモノニシテ生マルルモノニアラズ」。でもーーだから?--「《出版》のこと思ひしとき/顔色きびしく変じたり」。2013/03/03