内容説明
エスタ。この、出生の謎をもつ美少女の語りを軸として展開する多彩な物語。その背景となる「ジャーンディス対ジャーンディス事件」とは何か?上流夫人の秘密とは?野心的な弁護士の策動、奇妙な慈善事業家、アヘン中毒の代書人、相次ぐ事件…。イギリス19世紀を代表する作家ディケンズが、小説の面白さのすべてを盛り込み、読者に息もつかせぬ興奮の世界をくりひろげる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
216
ディケンズが奏でる物語の序章。 一体何が始まるのかの期待感が心地よい.. エスタ視点で語られる物語はまだ曖昧で さっぱり全体像が見えてこないが、これも ディケンズの世界なのだろうか..エスタの 過去に何があるのか..訴訟事件との関係は.. 全てが次巻以降に期待を持たせる第一巻だった。2016/11/20
扉のこちら側
86
初読。2015年1129冊め。【74-1/G1000】子どもの頃に筑摩世界文学大系の重たい全集版で読んだことを思い出しながら読了。難しいようで訳者との相性がいいのかするする読める。1巻はまだ長い序章といったところで物語の起伏は少なく、この後の伏線といったところ。エスタとエイダという美しく才気煥発な二人に対し、今風に言うのであれば「意識高い系」なのか、少しピントがずれて流されやすいリチャードが今後どうなるか。【第6回G1000チャレンジ】【第50回海外作品読書会】2015/11/14
ケイ
75
登場人物がたくさんいて、場面があちこちに飛ぶし、それぞれの人達の話がバラバラに進むので、何度も挫折しそうになりながら、ようやく読了。レスター婦人と思われる人物の不審な動きから、色々な物事がつながってきそうではあるが、ジャーディス・ジャーディス裁判とか、さっぱりわからない話の展開の少なさに戸惑うばかり。二巻では、話が進みますように。2014/02/09
キムチ27
57
ディケンジアンの私・・学生時代に、これを読みたかったが、頭がついて行けない・・遠ざけていた。この題名は酷くそそり、時間があるこの時期にチャレンジ。思った以上に頭を悩ます。コアというべき事件名からして凄いージャーンディス対ジャーンディス事件・・ふざけて居るの?と思ったほど。登場人物の名前も長いのが多くエスター・リチャード・エイダだけ、やっと脳内に。大いなる遺産同様、この時代は貧富の差が大、読みながら暗い話題が山積。妖しいと思ったニーモのアヘン中毒死。ニーモって「名もない人❣」他にも何か気になるエピソードが2021/01/27
NAO
53
再読。次から次へと出てくる登場人物に、延々と続いているジャーンディス一族の裁判。話は、あっちとびこっちへと飛びしてなかなかつかみにくい上に、それほど大きな動きもない。まずは、登場人物紹介といくつもの伏線が張られたという感じだが、レスター婦人の謎めいた動きなど、話はミステリー仕立てっぽくなっている。エスタとエイダは、ディケンズの作品に頻繁に出てくる「自己犠牲をいとわない、心優しい美女」。リチャードのだめっぷりが見えて来ているだけに、二人の優しさには和まされる。2015/10/17