内容説明
『こころ』を手がかりに漱石とその時代に分け入り(「徴兵忌避者としての夏目漱石」)、ハムレットの中に出てくる小唄と彼の悲劇とのかかわりを論じ(「ハムレットの小唄」)、また「四畳半襖の下貼裁判」の特別弁護人として、古今東西の文学を論じ来たり論じ去る。博識とユーモアの織りなす、批評の楽しみを味わえる本。
目次
歴史(徴兵忌避者としての夏目漱石;歴史といふ悪夢)
詩(ハムレットの小唄)
批評(退屈を教へよう;黒い鞄;詩学秘伝)
小説(夜半の狭衣;四畳半襖の下張裁判;通夜へゆく道;一双の屏風のやうに;女の小説;問はず語り;維子の兄)