内容説明
からだは、自分と世界とがふれる境界線だ。そこに必死になって生きようとしながら、閉ざされ、病み、ゆがむ“からだ”…。幼時に耳を病んだ著者が、どのようにして“こえ”と“ことば”を回復し、自分と世界とのふれ合いを、また、人間関係のダイナミズムをとり戻していったか―。長く苦しい努力の過程を語りつつ、人間の生き方の根底を照らし出すユニークな一冊。
目次
凍っていたノド
からだとことば
ことばとの出会い(失われたことば;発語への身悶え;物語と音への目覚め;師・岡倉士朗との出会い)
からだとの出会い(解体することば;演技=行動するからだ;弓の修行から;こえとの出会い;話しかけのレッスン)
治癒としてのレッスン(竹内演劇教室のはじまり;「ふれる」ということ―Sの場合;引き裂かれたからだ―Nの場合;対人恐怖について―WとMの場合;自閉症児とのふれあい―ひろし君の場合;現代社会とこえの歪み;明示性と含意性の統一)
からだそだて(「からだ」を吟味する;「体育」を「からだそだて」と読む;姿勢について;「からだ」としてのことば;「からだそだて」の観点から見た全教科のパースペクティブ〔ほか〕)