内容説明
「私」は、ある夏の日、海辺ではじめて「先生」に出合う。足繁く「先生」の家を訪れるようになった「私」には、「先生」の、すべてを諦らめたような生き方を解き明かしたいという気持が次第に強くなる…。友を死に追いやった「罪の意識」によって、ついには人間不信に至る近代知識人の心の暗部を描いた傑作。若い読者の理解を助けるため読みやすい活字で詳細な語注を付した。
著者等紹介
夏目漱石[ナツメソウセキ]
1867年(慶応3年)、江戸・牛込馬場下に生まれる。本名金之助。1893年(明治26年)、東京帝国大学英文科卒業。1905年(明治38年)、『吾輩は猫である』第1回を発表。その後数々の名作を発表し、国民的大作家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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myunclek
39
何ともやり切れない物語。人間の奥底にある醜さを見せられたようで、暗い読了感しか残りませんでした。こころはこころでも、こころの闇でしたね。2014/11/11
康功
37
先生のエゴイズムが私には耐えられない。読後感が悪かった、、、友情と恋愛の狭間でうごめくエゴイズム。100年前に書かれた小説が、未だに読者を捉えて離さない普遍性。昔に生きていた村上春樹のような存在。読書にハマるきっかけになった自分の中でのベストワン小説。2015/11/07
きょーこ
35
はじめての読了。こんな終わり方だったかな。中で、思い出した。友人が自分の母の葬儀の際、棺に手をかけたとたん、あかぎれから突然血液が溢れたと。私も自分の頸動脈が打つのを感じながら読んだ。文学とはほど遠い日々だったけど、文豪も読めるようになって嬉しく思います。人のこころはやっぱり見えない。自分のこころを大切にしよう。神様のカルテからこの本を手に取った。罪と罰を読まないも、図書館の順番がよかった。興味深く読めた(^-^)♪2016/05/26
fseigojp
32
年を取ればとるほど難解になる不思議2016/01/25
mizuki
25
国語の教科書で有名ですが、内容を忘れていたので、読んでみました。丁寧な文章に慣れず、読むのに時間がかかってしまいました。勉学に真面目に励む学生の姿は、見習わなければと思いました。しかし、真面目だからこそ、死と向き合うことの多かった時代だったのでしょうか⁉︎家族との関わり方、友情と恋、師弟関係。昔も今も変わらないという感想が見受けられましたが、私には、どれも今とは違うなぁ〜っと、感じました。ただ、心許せる友達っていうのは必要なんだょ、という話は、中学生〜高校生に必要なんでしょうね。教科書的に。2015/06/08