出版社内容情報
心にしみる曲と歌詞。兎を追った山、小川の岸のすみれやれんげ。まぶたに浮かぶ日本の原風景。童謡誕生百年。そのイメージはどうに変化し、受容されてきたのか。
内容説明
童謡・唱歌・わらべ歌…子どもの歌の社会文化史。まぶたに浮かぶ日本の原風景?!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅん
12
童謡の(国家主導の唱歌に対するアンチとしての)歴史性を語った本は多くあるようだが、戦後の童謡の行方も調べてその変遷と本質を追求したのが本著の面白み。レコード大賞に「童謡賞」がかつてあり、アニメソング(ムーミンの歌など)も受賞していた事実は知らなかったし、人気のあった少年童謡歌手が、美空ひばりに端を発する「大人の歌をうたう子供」の登場などを契機にその存在感を著しく減損させていく経緯など、なかなか味わい深い。「日本の心のうた」が形成されていく流れは、その他の共同観念の形成にも通じる話なのではないか。2021/08/16
kenitirokikuti
11
著者は1978年生まれの音楽社会学者。あとがきによると、著者はネット時代の先端音楽を研究対象にしていたが、子どもが生まれて30年ぶりに「童謡」に接したのが本書関係の研究のきっかけだという。最近の音楽学は、「音楽とは何か(音楽には自律性を持ち、歴史を持つ)」を問うのではなく「何が音楽と考えられてきたか(社会史の内に位置づける)」を扱うのが潮流だそうである▲大きく分けて、「子どもの歌」像の変遷と、童謡の「日本人の心のふるさと」化の深まりを扱う。集合的なノスタルジアが具象化を求める。2018/06/02
Book Lover Mr.Garakuta
6
図書館本:読了。感想はほかの人にユヅルが、読み応えのある本で、童謡の在り方が分かる2018/11/23
とりぞう
3
「童謡をうたわない児童歌手は当時の社会から全面的に受け入れられたわけではありませんでした。美空ひばりは大衆的な知名度と人気を獲得する一方、一部の大人からは「ゲテモノ」などと槍玉に挙げられました。詩人のサトウハチローも美空を激しく口撃した一人です」なんていう、面白い話は盛りだくさん。2018/05/02
takao
1
ふむ2021/05/06