だいわ文庫
封印作品の闇―キャンディ・キャンディからオバQまで

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 339p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784479301288
  • NDC分類 361.45
  • Cコード C0174

内容説明

『キャンディ・キャンディ』『サンダーマスク』『ジャングル黒べえ』『オバケのQ太郎』―。これらの作品の封印は、なぜいつまでたっても解かれないのか。差別表現の問題だけで作品が封印されるのではない。合作の場合には、著作権の問題で封印されることもある。文庫化にあたって新章を追加し、オバQが封印された真相を初めて明かす!『封印作品の謎2』を新編集、改題文庫化。

目次

第1章 引き裂かれたリボン―キャンディ・キャンディ(『冬ソナ』の陰で;プリクラから始まった混乱;変化した争点;『キャンディ』誕生の背景と講談社;法定の結論;増殖するグッズ;単行本とアニメも巻き添えに;裏目に出るキャラクタービジネス;漫画原作システムのはらむ矛盾;そして二人の母親が残った)
第2章 ウルトラとガンダムの間に―サンダーマスク(発狂したヒーロー;迷作か名作か;乱れ飛ぶ噂;フィルムはどこだ?;未来を知らなかった約束;創通エージェンシーの封印された過去;ウルトラマンを超えて;ガンダムに倒された男)
第3章 悲しい熱帯―ジャングル黒べえ(『ちびくろサンボ』復活の一方で;抗議は本当にあったのか?;「忘却」する関係者たち;幻影におびえて;「善意」のハンター;「なくす会」への電話;ステレオタイプな楽園;タブーとなったキャラクター)
第4章 怨霊となったオバケ―オバケのQ太郎(思い出だけを残して;理由の見えない全面封印;スタジオ・ゼロの時代;抹消される合作;コンビ解消の裏に;出てこられないオバケ;さよならもいわないなんて)
第5章 浮遊霊の行方―文庫版のための新章(オバQはよみがえったのか?;悲しい真実)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

半木 糺

4
一番興味深かったのは『オバケのQ太郎』の絶版に関する顛末である。F・A両氏の親族同士の争いが原因であったとはなんとも言えないやりきれなさを感じた。ちなみに本書が刊行された後に『藤子・F・不二雄大全集』が刊行され、何とか読めるようにはなった。親族同士の不和は解消されたのであろうか。ただ、当人同士が最後まで親友であったことは何よりの救いであった。2013/09/27

コウ

3
著作権問題・人権問題等で封印されてしまった作品を取り上げて、真相を追求している本です。楽しい漫画の裏側にどうにもできない大人の事情があるのは哀しいですね。黒人差別の問題で裁判騒動になった某アニメを、タレントのサンコンさんに観てもらいインタビューしたやり取りも収録されていますが、そこで話すサンコンさんの言葉がとても良かったです。該当すると思われる当人より、いかに周りが勝手な思い込みで(言い過ぎ?)差別であると騒ぎ立てていることか。差別に過剰に反応し過ぎてしまう現代がちょっと怖いです。もっと話し合いましょう。2017/01/25

猪子

3
うーんうーん…内容が内容だけに読後感がすっきりしないなぁ。コンビニ本のようなライトな内容を想像して借りたので余計に。安藤さんの取材、編纂の労力はすごいと思うけど当事者からしたら「古傷を抉るのはやめてくれ」って思うんだろうなぁ…でもファンは真相を知れて嬉しいのかな…。色々な立場の人のことを考えると一概に面白いとは言いにくい本です。しかも、ジャグル黒べえやオバケのQ太郎は2016年現在復刊されてるので余計なお世話だったんじゃないかとすら思います。もやもやし過ぎて言葉がまとまりません。2016/12/02

たろーたん

2
『キャンディキャンディ』が壮絶だった。作画いがらしゆみこが勝手に商品化して、それに対して原作水木杏子が同意してないのにと怒り、それに対して「原作者には権利はない」「キャンディは私一人で作った」と言われて著作権裁判に発展。ただ、本書を読んでると「最初に原作があって作画」というのは作画者からすれば違うみたい。原作は所詮叩き台ぐらいでしかなく、ストーリーを作っているのは作画。だから、作画いがらしも『キャンディ』は私が作った思ったのかもしれない。ただ、それでもいがらしが悪いと私も思う。泥沼ってこういうのなんだな。2021/11/27

麦焼酎

2
前作に引き続き、読みました。黒人差別をなくせ!と抗議活動をする日本人の話が衝撃的だった。オバQの話は悲しかった。作品に罪はないのに、人間ってやつは...2017/09/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/543972
  • ご注意事項