出版社内容情報
トヨタ生産方式は,いまや一世紀の伝統をもつフォード式生産方式を超えようとしている。逆転の発想によるケース中心の実践書。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
64
僕は経営学の学部・大学院と学び、複数回読了。後に様々な職種経験に加えトヨタへの機器納入とトヨタ協力会社での経験と実践を経て、この考えが1つの筋論だと最近思うから選択。誰もが口にするトヨタ生産方式のワードが並ぶ。でも、近々思う効率の重要性が後半論述展開される。効率とは、決して量とスピードではない。ここがよく間違えらる。不味い方法を止めて我々が知る限り最も良い方法で仕事をするという簡単なことなのである、と大野耐一氏は述べている。それにてムダ取りとなり余力が出来るのだと。ここが読みたく平成最後の読了本に選択した2019/04/30
Kawai Hideki
50
トヨタ式生産方式について当事者が語った貴重な文献。経済成長真っ只中の「作れば売れる時代」にあって、すでに「縮小経済でも利益を出す」という発想でプロセスを構築しているところに慧眼あり。その結果、当時の常識とは真逆の方法論を目指し、試行錯誤を繰り返しながら、実際に結果まで出してみせた力量がものすごい。著者本人は「ノウハウ流出防止のためわざと分かりにくく書いた」とおっしゃっているが、ソフトウェアの世界で、いま流行りのスクラム開発の源流にもなっており、時代を超えて読み継がれる名著であることは確か。2019/03/24
ひろき@巨人の肩
29
Febeにて。大野氏の人間性に圧倒された名著。当時すでに低成長時代を予見し、多品種少量生産へ舵を切った先見性。また、そのために「在庫」=「絶対悪」と捉えて在庫低減を第一優先に掲げ、平準化による製造効率の犠牲を厭わない徹底した経営方針。さらに平準化したシステムの効率化を目指した日々「カイゼン」業務。現在、様々な業種でIOTを取り入れて目指しているプル型生産法式を、既に実現しているトヨタの凄さを改めて実感する。時代の系譜として、ヘンリーフォードの正当後継者は大野耐一だなと強く感じた。2016/09/09
ふろんた
29
増えすぎた積読本を減らすべく、トヨタの生産システムを取り入れようと読んだ。追求すべきは生産性ではなく、効率。徹底してムダを省く。完成品の生産高から、必要数を割り出す。この辺はワークショップも経験しているので経験則があるが、平準化生産、小ロット生産をすることで段取り回数が増えても、その段取りの効率を追求すれば、より在庫抑えることができるとは。要は、月間で読める量から図書館借りる計画、購入していい数を把握すると同時に、併読することでムダを省き、効率を上げるということか。2014/07/08
toton
16
ジャストインタイムやかんばんなどのトヨタで行われてる生産方法の目的や考え方が詳しく書かれており、とてもためになった。徹底的に無駄を無くすために尽力するという考え方はどの業界でも参考に出来る点と思う。後半は創業者や先駆者の考え方を話だったので思っていた内容ではなかったが面白い話だったので読んで良かったと思う。2021/09/20