内容説明
伝統的な経済学が前提とする、「自己利益の最大化」のために「最も合理的な」選択をするという人間行動の原則は、現実を反映したものとはいえない。本書では、経済理論では説明のつかない身近な市場の矛盾や、例外とする経済現象にスポットを当て、心理学と融合した新しい経済学のアプローチを示す。
目次
経済理論と「例外」―合理的行動モデルはどこまで正しいか
協調戦略―人はいつどんな理由から協力するようになるか
最終提案ゲーム―「不公平なら断ってしまえ」という意思
産業間賃金格差―同じ職種なのになぜ給料に差が出るのか
オークション―勝者は「敗者」となる呪いをかけられている
損失回避―手放すものは得るものより価値がある
選好の逆転現象―選好の順位付けはプロセスのなかで構築される
期間選択―金利と割引率についての損得勘定
心理会計―貯蓄と消費は人間的に行われる
ギャンブル市場―競馬と宝クジにみる「市場の効率性と合理性」
株式予測(1)―株式市場のカレンダー効果
株式世族(2)―株価は平均値に回帰する
投資家感情仮説―クローズド・エンド型ファンドの不思議
外国為替市場―金利差と為替レートの謎
著者等紹介
セイラー,リチャード[セイラー,リチャード][Thaler,Richard H.]
株式市場の「リターン・リバーサル」など、大胆な市場分析で注目を集める米国の行動経済学者。現在はシカゴ大学経営大学院教授。また、同大学院の意思決定研究センター所長。1945年生まれ、67年にケース・ウェスタン・リザーブ大学にて学士号を、74年にロチェスター大学にてPh.D.をそれぞれ取得。シカゴ大学に移籍する前、コーネル大学で教鞭をとっていた
篠原勝[シノハラマサル]
1937―2005。翻訳家。香川県生まれ。早稲田大学第一商学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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