内容説明
決定不能性(ゲーデル)から他者(ヴィトゲンシュタイン)へ「探究」へ跳躍する柄谷行人の「転回」を刻む。
目次
現代生物学の神話(日高敏隆)
シャーロック・ホームズの解読(小林司)
ツリーと構想力(寺山修司)
〈イエス〉を書くということ(田川建三)
ソシュールと現代(丸山圭三郎)
〈思考〉のパラドックス(栗本慎一郎・今村仁司)
現代文学と“意味の変容”(森敦)
マルクス・貨幣・言語(岩井克人・浅田彰)
隠としての建築(多木浩二)
コンピュータと霊界(中沢新一)
モダンとポストモダン(村上龍・坂本龍一)
ポスト・モダニズム批判(笠井潔)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
OKKO (o▽n)v 終活中
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図書館 ◆多木浩二×柄谷行人の対談部分を読もうと借りてきてはみたものの、バカなオイラは話にまったくついていけず。ごめんなさい、修行して出直します。2016/02/20
KN
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対談の相手は寺山修司、田川健三、中沢新一、日高敏隆、丸山圭三郎、森敦、笠井潔、坂本龍一、村上龍など。ゲーデル問題を突き詰めて考えた後に3年間ほど何もできない状態に陥り (精神科に通って薬を処方されたりもしていたらしい)、「霊界は存在する」などと言いだした時期にあたる。ゲーデルを含め数学者に「神秘主義者」が多いのは面白い。自分は中沢のような実践者を非常に尊敬する者であるが、後年の柄谷同様、言説や理論のかたちでそういった次元を扱う試みにはそれほど惹きつけられないかもしれない。2016/03/19
euthanasia
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「このところちょっと凝っているのは、他界というか、霊界の構造ですね。それは位相構造としては存在してしまうんですよ。まあそういうことで、いま頭がおかしいと人に言われているんですけれどね(笑)。」(p.278) 一番頭がおかしかった頃の柄谷の対談が読める、というだけでも必読に値する。真の柄谷研究はここから始まるといっても過言ではない。マスト。2012/12/23