感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
4
右ページに漢文と書き下し文、左ページにサンスクリット文と現代語の邦訳が並ぶ。それらはニュアンスや解釈が違っても同じ論理を表現する。論理はいう、言葉は言葉にならないものを表現する、と。言葉は概念にもならず瞑想によってしか得られぬ真理を仮に表現する関係性の束だ。推論が働く時、言葉は世界ではないが世界を表す。この依存的な言葉の現実と絶対的真理との間を否定の反復によって徹底すると、言葉によってできた現実が言葉によって破られる。本巻は龍樹の立てた因果、運動、感覚、集合体、要素、欲望、行為を巡る分析的対話から成る。2017/02/17