出版社内容情報
一九八六年に出版され三刷りの後に絶版となった写真集『軍艦島 棄てられた島の風景』の待望のリニューアル版。炭鉱で栄えた長崎県端島(通称軍艦島)の廃墟の風景メモリアル。
内容説明
軍艦島が無人島となって10年後、感傷とは無縁の新たな眼で撮り始めた写真集。収録作品を大幅に入れ替え、論文、資料などの内容を付け加えた。
目次
作品
奇妙なモノたち(笠原美智子)
追想・軍艦島
眠りのなかの覚醒
著者等紹介
雑賀雄二[サイガユウジ]
1951兵庫県に生まれる。1971愛知県立芸術大学デザイン専攻に入学する。デザイナーになるつもりが、写真の面白さに取り憑かれ、在学中に写真を独学。1973大学の3年次より写真に専念する。長崎県下のカトリックの人々の土地を訪ね、写真を撮り始める(1984年まで)。1976愛知県立芸術大学を卒業する。写真家、デザイナーとして仕事をする。名古屋造形芸術短期大学の非常勤となる(1979年まで)。1989愛知県立芸術大学美術学部、非常勤講師となる(1999年まで)。2002東京綜合写真専門学校、講師となる。1976桑原賞、1987芸術選奨・新人賞受賞(写真集「軍艦島―棄てられた島の風景」に対して)
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感想・レビュー
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伊瀬有佐
11
【図書館】「棄てられた~」が絶版になったので、改めて出したのがこの写真集。少しサイズが小さいので、迫力は「棄てられた~」のほうがいいのでは?2011/07/14
瑪瑙(サードニックス)
9
軍艦島。その名前を聞いた事はあったけれどもどんな所なのかは知らなかった。無人の島となり、永い年月と共に荒れ果て荒廃した建物や物。けれども著者は人の手を離れたからこそ、モノが本来の姿になったのだと言う。確かに写真の中のモノ達は、圧倒的な存在感がある。著者が学生時代に足を運んで写真を撮った頃のエピソードが興味深かった。ここは確かに大勢の人々が生活していた場所だったのだ。自分が鳥を飼っているせいもあって、鳥かごの写真には惹きつけられた。いったいどんな人がどんな鳥を飼っていたのだろう?2013/06/27
ケニオミ
6
この本も、図書館で探していた本の近くにあったので、その場でパラパラとめくってしまった一冊です。同時に読んだ「軍艦島 棄てられた島の風景」と掲載されている写真がほぼ一致しています。ポンペイと同じく、いつか訪ねてみたい場所です。2015/08/12
ホレイシア
6
廃墟マニアではなく、軍艦島マニア。これは特に、マンドレークの声があちこちから聞こえてきそうで切ない。2008/01/10
Koki Miyachi
4
また軍艦島。無意識のうちに、軍艦島の本を探している自分に気付く。そっとページをめくってみる。おや、前と同じような感じ。軍艦島の朽ち果てている姿が、余すところなく捉えられている。一方他の写真集と何が違うのかという疑問も浮かぶ。被写体を選ぶのも写真行為だから、同じ被写体を選んだら、誰が撮っても同じように写るのか?そうではない。軍艦島が撮り方を求めるのでは?モノクロームで、この被写体をこのアングルでと…。多分そうなのだ。それほど強烈な被写体なのかも知れない。その真偽は実際に自分の目で見てみないと分からないが。2013/03/24