内容説明
今日、大学と称する機関は増殖の一途をたどり、その性格・構造・機能が多様化するばかりであり、その結果、大学の目的はいっそう曖昧になってくる。それだけに「大学とは何であり、また何でないのか」が明らかにされる必要が増している。大学だけが行うことができ、他の機関では到底真似のできないものは何かが究明される必要がある。本書はそうした見地から、「大学とは何か」の検討からはじめて、一般教育、学部教育、大学院教育、管理運営、地域社会との関係に至るまで、多面的な考察を行っている。その内容が大学教育全般にわたっている点で、自己流ではあるが、一種の大学教育制度概論になった。
目次
1章 大学とは何か―機能の多様化と理念の喪失
2章 一般教育―知識階級の消滅と教養教育の衰亡
3章 学部教育―専門教育から一般教育へ
4章 大学院教育―徒弟修業から職業訓練へ
5章 管理運営―学者共和国から大学企業体へ
6章 地域社会―「孤独と自由」から「モード2」へ
著者等紹介
市川昭午[イチカワショウゴ]
1930年、長野県に生まれる。1953年、東京大学教養学部教養学科卒業。北海道大学専任講師・助教授、東京教育大学助教授、筑波大学教授、国立教育研究所研究部長・次長、国立学校財務センター研究部長・教授等を歴任。中央教育審議会・大学設置審議会などの専門委員、日本教育行政学会会長等も務めた。主な著書に『学校管理運営の組織論』『専門職としての教師』(以上、明治図書出版)、『教育サービスと行財政』(ぎょうせい)、『教育行政の理論と構造』『生涯教育の理論と構造』『教育システムの日本的特質』『教育改革の理論と構造』『臨教審以後の教育政策』『未来形の教育』(以上、教育開発研究所)、『高等教育の変貌と財政』(玉川大学出版部)などがある。主な共著に『教育財政』(東京大学出版会)、『教育経済学』(第一法規出版)などが、また主な編著に『戦後日本の教育政策』(第一法規出版)などが、『教育の効果』(東信堂)、『大学校の研究』『現代の大学院教育』『大学大衆化の構造』(以上、玉川大学出版部)などがある
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