目次
1 初等義務教育の制度化―ウェステージの視点から(先行条件の準備;「離陸」の開始 ほか)
2 工業化と技術者養成―人材形成のメカニズム(殖産興業政策と工業技術者教育の発足;産業革命の展開と工業技術者教育の確立 ほか)
3 大学教授集団の形成―エリートからプロフェッショナルへ(海外留学の制度化;教授集団の形成過程;講座制と教授集団)
4 講義録と私立大学―知識伝達の日本的形態(大学講義録の成立;法学教育と講義録 ほか)
感想・レビュー
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Toshiyuki S.
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日本が近代社会へのテイクオフを成し遂げようとしていた時期に、教育がいかなる役割を担っていたのかを構造=機能主義的に分析した論文集。専門的な学術書なので、選書や文庫として刊行されている著者の他の作品と比べるとどうしても読みにくい。内容も丹念な資料の整理とその読みときが中心になっている。ウェステージの分析は教育における格差問題の源流として興味深く読めた。教授集団の形成過程を扱った第3部は、帝国大学のスタッフの養成、登用と学校制度との関係にメスを加えたもので、専門職の実証研究として高い意義を有している。2013/05/18