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内容説明
天国や地獄は、そう考えた人間が心の中に描いたイメージであり、キリスト教が伝えられてからずっと、西欧人の心にとりついて離れなかった。天国も地獄も、文学や、美術のもっとも重要なテーマであった。本書は、膨大な数の西欧絵画の中から選んだ作品を読み解く作業を通して、西欧人の死後の世界の変遷を追うものである。
目次
第1部 審判(天国と地獄)
第2部 天国(閉ざされた園;天国の住処)
第3部 地獄―地獄のイメージ(奈落の地図;悪魔の形姿)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
季奈
1
一つ一つの星々やチリなどの物質から銀河が成るように、我々のミクロコスモスが観念的な神を構成する。 それは天国と名付けられた聖なるものとの同化であり、天国とは場所ではなく状態なのだ。 そして対となる地獄という状態は、単に神との融合が叶わない哀れな霊魂が陥るものであった。 過去形で示した理由は、現在に至るまでに天国と地獄の概念は、楽園と刑場の場所に変質してしまったからだ。 何故死後の世界が異なるイメージとなったかには、芸術家が過度なシンボル化を行ったり、宗教家が東洋の宗教との埋め合わせを行ったことに起因する。2020/05/07