内容説明
日本語堪能なドイツ人大学教授が脳梗塞で倒れ、失語症に。目標は職場復帰、そのためには日本語を取り戻さなければならない。日本語教師の妻は病院の言語リハビリと並行して家庭での言語訓練を開始、症状とその回復過程を克明に記録する。症状を認識できないという症状。ドイツ語と日本語の綱引き。奇妙な論理。奇妙な行動。失語症は果たして言葉だけの問題なのか?そして失語症は「家族の病」と化す…。脳と言葉をめぐる様々な不思議。壊れた言葉と壊れた心に翻弄される家族の思い。
目次
第1章 二〇〇五年(発症;暗いドイツ語、明るい日本語 ほか)
第2章 二〇〇六年(退職か休職か―診断書の語るもの;一年間の休職決定 ほか)
第3章 二〇〇七年(授業準備開始;定冠詞、不定冠詞、否定冠詞 ほか)
第4章 二〇〇八年(一つ山を越えた;プラトーという時期 ほか)
第5章 二〇〇九年(退職までの日々;失語症の薬はないのか ほか)
第6章 二〇一〇年(高次脳機能障害;文型文法 ほか)
著者等紹介
ロコバント靖子[ロコバントヤスコ]
1943年群馬県桐生市に生まれる。南山大学独語学・独文学科卒業。1967‐70年、ハインリッヒ・ヘルツ奨学生としてボン大学留学(専攻:ドイツ語学・ドイツ文学・応用言語学)。(社)ドイツ東洋文化研究協会(OAG)や東京ドイツ学園等で主にドイツ人のための日本語教育を担当。現在はフリーの日本語教師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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