出版社内容情報
イエスの資の30年も後最初の福音書がギリシア語で書かれた。イエスはアラム語を話していたのに。様々な謎を解き明かす日本人のための聖書学入門。
内容説明
イエスが十字架にかけられてから30年もたって、最初の福音書は書かれた。なぜ?そして福音書が4つも書かれた理由は?イエスもその弟子達もアラム語を話していた。では、どうして新約聖書はギリシア語で書かれたのか?新約聖書の様々な謎を解き明かす、日本人のための聖書学入門。
目次
1 聖書入門(契約としての「旧約」と「新約」;聖書の文書数;ユダヤ教の正典の成立 ほか)
2 新約聖書研究入門(十字架事件から新約聖書成立まで三百年;新約聖書の写本の問題―正文批判;新約聖書解釈の観点の問題 ほか)
3 新約聖書はなぜギリシア語で書かれたか(マルコ福音書はなぜ書かれたのか;マルコ福音書におけるユダヤ人社会;マルコ福音書の社会思想 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サトシ@朝練ファイト
25
わざわざ県図書館まで行って借りてきたのだがそれだけの価値のある本だと思います。宗教的というよりは歴史的探究心満載です。2016/09/24
マウリツィウス
21
【古典期ギリシャ語と新約期ギリシャ語】まず《福音》≠ロゴス関係性を理解、『新約聖書』起源史においてセプトゥアギンタ及びウルガタの貴重翻訳は「資料性の点で」評価すべきだが、実際原典聖書訳を最初に個人実現化した独語圏が元来改革以前に七十人とヒエロニムスを「超えた」こともまた伺える。新約聖書諸文法において可能と呼べるのはNESTLE/ALANDを参照することで実際面に「七十人訳」意義は追放、七十人はパウロにより使用されるも事実必要資料化が正典問題に問われ、やはり正典=マルキオン定義はギリシャ異教由来と定義する。2013/06/14
マウリツィウス
17
【NESTLE/ALAND起源史】新約聖書史発祥は七十人の訳者の召命根拠ではなく、古典ギリシャ語の発展形と判断、そしていわゆる「グノーシス一連文書」差異性に論点を向けると古代ギリシャ語寄生体が七十人以前にギリシャ密儀に見出せるのも推察、古典文法としてコイネーは「聖性」「霊性」=新約言語特有文法を孕み、ロゴス概念は非古ギリシャ/新約特有価値意味、その根拠は「エウアンゲリオン」つまり聖書史を構成する「プネウマ」対応が確実、言語認識においてマルキオン/異教テクストとは新約諸文法の判断解釈を違えている筆跡を確認。2013/06/10
Mark.jr
4
タイトルから分かる通り、キリストはギリシア語を話さなかったはずなのに、なぜ新約聖書はギリシャ語で書かれているのかという疑問を軸に、つまるところ聖書は文化・歴史と同じくらい言語という問題も絡んできている、ということを明かにしているのが、この本です。例えば、新約聖書の"約"というのは"契約"の略ですが(意外とこれは知らない人が多いかもしれない)、ヘブライ語、ギリシア語、ラテン語で微妙に意味が違ってくるなどなど、言葉一つ取っても、そこらの新興宗教と比較にならない程深く複雑だということが、伺い知れます。2022/08/30
takao
1
聖書の成立過程に迫る。2018/10/04