内容説明
茨城・鹿嶋市役所で将来を嘱望される中枢的な部署をけっとばし、自らの希望で図書館に異動した「変わり者」の著者が、新天地塩尻市に舞い降りた。新塩尻市立図書館づくりに全人生をかけた新人館長のユーモアとウイットにあふれるエッセイ。
目次
川崎良孝『図書館の歴史 アメリカ編』
日本図書館文化史研究会『図書館人物伝』
海野弘『日本図書館紀行』
山本宣親『図書館づくり奮戦記』
丸山信『長野県の図書館』
全国学校図書館協議会『学校図書の活用名人になる』
薬袋秀樹『図書館運動は何を残したか』
福嶋聡『希望の書店論』
塩澤実信『出版王国の戦士たち』
永島慎二『永島慎二作品集』〔ほか〕
著者等紹介
内野安彦[ウチノヤスヒコ]
1956年茨城県に生まれる。1979年茨城県鹿嶋町役場(現・鹿嶋市役所)入所。この間、総務・広報広聴・人事・企画を経て、図書館に配属。中央図書館長・学校教育課長を務める。2007年長野県塩尻市役所からの招聘に応じ、鹿嶋市役所を退職。同年塩尻市役所に入所。この間、図書館長として、新図書館の開館準備を指揮。2010年7月に新館開館。2012年3月に塩尻市役所を退職。現在、松本大学松商短期大学部非常勤講師。業務以外の活動として、日本図書館協会認定司書審査会委員、長野県生涯学習審議会委員、県立長野図書館協議会委員等を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぺけぽん
20
ずいぶん面白い図書館長さんがいるもんだな~と思って読み始めたのですが、最初車の話ばかりしているので、どきどき(大丈夫かな、という意味で)してきた。が、心配ご無用、熱い~図書館への情熱を感じました。図書館って本をかしてりゃい~と思えばそれだけで成り立ってしまう世界けれど、売り込み(お客さんにね)というかアピールできるかで斬新で面白すぎる世界になると思う。この本で塩尻の図書館行くこと決定!2012/09/10
おはぎ
13
★★元図書館長の著者が語る図書館と本への愛情あふれるエッセイ。タイトルから勝手に図書館ガイドブックだと思っていたのでちょっと期待と違ってしまったけど、著者の趣味や経験を絡めていて読みやすかった。ベストセラーばかり置いては公共の無料貸本屋になってしまう。リピーターだけでなく、多くの人に図書館を利用してもらいたいと情熱を燃やす姿は公務員の鑑である。2014/10/17
びすけっと
13
2012年6月刊。遠征先図書館出会い本。40歳にして希望して公立図書館に異動した公務員のエッセイ集。図書館にはまり込み、塩尻市の図書館新築の際には請われたほど。図書館を利用していない市民に利用者になってもらう選書が重要(p.35)と説き、貸出数が指標のようでは公立図書館としてはまだまだと。図書館職員の非正規化、外注化が進み、「人を大事にしない自治体が増えてきている」(p.28)と嘆きます。働く人を大切にしつつ、利用者を増やし、無料貸本屋に陥らない施策を、との意見に共感。私も本の森で働きたいぞ。2014/08/19
ひとまろ
7
図書館館長による図書館事情や 図書館めぐり、図書館にまつわる書籍の紹介など。 著者は本好きが講じて市役所の出世コースから 希望して図書館部門へ異動願いを出す。 そんな彼がこれまで図書館へ異動になった役人と 違う行動をとり改革に乗り出す。 一番共感できたのは非正規雇用の図書館員の給与改善だね。 やはりこういうことをしていくのが一番のモチベーションUPだと思う。 待遇がいいとアイデアも湧くってなもんです。 図書館に行った時に見るポイントが変わるかな(笑) 2013/10/17
SORA
7
図書館への熱い思いと信念があるのは素晴らしい。こういった方たちのお陰で図書館も発展していくんだろうなと思う。上に立つ人ほど図書館への情熱を持ってほしいですね。ただ本のタイトルにちなんだ内容というより、思い出話がメインなので、本のタイトルを紹介しなくても良いのでは、と思ってしまうことが度々あった。2012/10/17