内容説明
オイラー積、オイラー線、オイラー角、オイラーの公式など、今日もその名を冠する業績を多く遺す、18世紀の代表的数学者レオンハルト・オイラー。本書は、オイラー自身が示した36個の証明を取り上げ、親切・丁寧に解説した、オイラーの数学への入門書である。本書では、オイラーが重要な貢献をしたテーマから数論、対数、無限級数、解析的数論、複素数、代数、幾何学、組合せ論に沿って8つの章を設けている。それぞれの章は3つの節からなり、まず「プロローグ」で、オイラー以前に知られていたことが論じられる。続く「オイラー登場」では、オイラーの意図が原論文にしたがって紹介され、最後の「エピローグ」でオイラー以降の数学者がどのように彼のアイディアを展開させていったかが述べられている。オイラーの業績の同時代における意義と、彼以降の数学と数学者に与えた影響が浮き彫りにされる。
目次
第1章 オイラーと数論
第2章 オイラーと対数
第3章 オイラーと無限級数
第4章 オイラーと解析的数論
第5章 オイラーと複素数
第6章 オイラーと代数
第7章 オイラーと幾何学
第8章 オイラーと組合せ論
付録 オイラーの『全集』
著者等紹介
ダンハム,W.[ダンハム,W.][Dunham,William]
1947年12月8日、米国ピッツバーグ生まれ。1974年に、オハイオ州立大学でN.レヴァインの指導のもと一般位相に関する論文で、Ph.D.を取得。優れた啓蒙書を著した業績に対し、アメリカ数学協会(MAA)より、1993年ポーヤ賞、1997年エヴァンス賞を受賞
黒川信重[クロカワノブシゲ]
東京工業大学理学部数学科卒業。東京工業大学大学院理工学研究科教授。理学博士。専門は数論、ゼータ関数論
若山正人[ワカヤママサト]
東京理科大学理学部数学科卒業。九州大学大学院数理学研究院教授。理学博士。専門は表現論、ゼータ関数論
百々谷哲也[モモタニテツヤ]
九州大学大学院数理学府数理学専攻修士課程修了。九州大学大学院数理学府数理学専攻博士課程在籍。専門はゼータ関数論
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