内容説明
本書は熱力学から出発して、統計力学の理論とその基本的応用を説明し、臨界現象の初歩までを扱う。歴史的・論理的な順序にあえて逆らい、熱力学の段階から統計力学の描像を与えることにより、読者が具体的な理解を積み重ねられるよう配慮されている。例・問題では、ヒートポンプなどの熱機関、格子振動や磁性などの固体物理、ボーズアインシュタイン凝縮などの凝集系物理、中性子星などの宇宙物理、クォーク・グルオンプラズマなどの原子核物理など、いずれも現象の本質を捉えた簡潔な解説で、統計力学の広がりを良く伝えてくれる。
目次
第1部 熱力学(平衡状態と状態量;熱力学法則 ほか)
第2部 統計力学(微視的な状態の数とエントロピー;アンサンブル理論とミクロカノニカルアンサンブル ほか)
第3部 量子統計(密度演算子;多粒子系の波動関数の対称性 ほか)
第4部 実在気体と相転移(実在気体;相転移の分類 ほか)