出版社内容情報
【解説】
ユング心理学の立場から、治療者と患者、広くは援助する人とされる人の間の関係について、なぜ善意の援助者が人を傷つけることもあるのか、治療者は悪から逃れられるか等を解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nchiba
4
分析家またはセラピストは常に自分を分析していなければならない。それは自己の「影」の部分を意識することである。苦しんでいる人を助けようとする「光」の裏に「影」があることを強く意識させられた。心理療法に携わる人には必読の本ということである。僕は自分の分析をしたいと考えているのだが、その困難さを知る上で大変興味深かった。2012/12/29
asagon
3
援助職についている人は、一度は読んでおくべき本と思う。(何年何十年も精神分析やらカウンセリングやら受けるのってどうなんだろう・・)と疑問に思っていたけれど、「患者の中に生きている分析家は患者自身にとっても実際有害なのである」「自分自身の生活を一生懸命生きている分析家にしか、患者が自分の生活を見出す手助けはできない」の下りを読んで、(そういうことなんだ!)とすっきりした。2013/10/26
Reina
2
勉強本2016/11/16
たらこ
2
本書のタイトルの通り、心理臨床に携わるものは、自分の「影」について常に考えなくてはならない、ということだと思う。「影」とは、「人を助けたい」という「光」輝く動機の裏にある、支配欲求などの「力への渇望」である。本の内容としては、言いたいニュアンスは大まかにはわかるが、回りくどい表現が多く、芯に伝わってくる感触はなかったというのが正直なところ。2011/10/05