内容説明
買うのはモノの「美しさ」。ただ、ひたすらに観じる―。魂の震えを覚えたらそれこそが手元に置くべきもの。そう語る著者のコレクションから日本や李朝の器、塗物をはじめ、ちょっと“?”な珍品まで“用の美”300点を厳選、一堂に。
目次
第1章 「買うのは美しさ」(骨董の正体とは;民藝とは何か;私のモノ遍歴の基礎を作った伯父 ほか)
第2章 「観じよ!されば愉しめん」(すべて行動が先なのだ―民藝を観じる眼;心を無にして、対象を眺める―直観のすすめ;染織 ほか)
第3章 「美は無邪気」(貧好きの私が好む、柳宗悦の一句;美の概念をくつがえした柳宗悦;本当の幸せは、平凡、平常、自然にあり ほか)
著者等紹介
尾久彰三[オギュウシンゾウ]
1947年、富山県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科美術史学科修士課程修了。1978年、学芸員として日本民藝館に入る。主任学芸員、学芸顧問を歴任し2009年に職を退く。柳宗悦が提唱した民藝運動の精神を受け継ぎながらも、それだけに囚われぬ自由でユニークな視点はつとに知られている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Maiラピ
3
どれもため息が出るいい感じの古民藝品の数々で持ち主である著者の風流人たるを知らしめる。日本語の使い方も期待を裏切らない。いかんせん・・・民藝の第一人者でもある柳宗悦などの威を借りての<美>への価値観の押し付けがましさには辟易してしまう。美は好きに感じればいいものだと思うけど。今の風潮に抗いたいルサンチマンぽさを感じてしまう。2010/06/12
いぶきばば
1
感じる事の大事さを改めて言われたような。好きな物に囲まれてっていうのは大事です。ということを何度も書かれていて、そうだなって思いました。2015/06/10
あきこ
1
民藝とは日常で使われているもの、庶民の暮らしの中での道具である。その一つ一つに作った人の心、使った人の心が宿って美しさとなっている。でも、最近の日常のもの、道具にはあまり美しさがない。それは作る人にも使う人にも物に対する愛着がなくなったのだろう。値段の高いものを飾ったり、100均で適当に買い、すぐ捨てる。買う、ということに責任を持ちたい。きちんと気に入ったものを使いたい。巻末にもあったが、エコの精神にもつながるだろう。日本は豊かになった。でも心はなっていない、むしろ退化しているだろう。毎日の暮らしを心の豊2010/06/25