出版社内容情報
実存と不条理を描いた20世紀最高の小説。
存在の不条理に「吐き気」を感じる青年ロカンタンの日常を、内的独白と細かな心理描写で見事に展開させた20世紀十大小説の一つ。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
52
高校生の頃、サルトルゼミを主催していた。実際には、嘔吐などの文学と、出口なしなどの戯曲しか理解できず、難しい本も持ち歩いていたが、さっぱり理解できてなかった。個人的にはサルトル よりカミュに共感していたこともある。小説では嘔吐が一番内容を理解できてたと思う。哲学者で小説家というのがうらやましかったか、ボーヴォワールとの関係がうらやましかったかのどちらかかもしれない。2021/08/25
藤月はな(灯れ松明の火)
39
実存主義の第一人者であるサルトルの代表作。しかし、哲学書ではなく、寓意性のある文学として楽しんで読んでいました^^;本書は、アントワーヌ・ロカタンという人物の遺した筆記帳をありのまま、載せたという体裁で展開される。図書館で猥褻行為をしたとして独学者が追い出される場面は、父親が私の受験勉強を「マスターベーション代わり」だと非難したことを思い出させる。また、本当は事件が起こって欲しくて放置していたのに独学家を非難した人々よりもその事実を知りながら同調した主人公は「自分」という人間が上位という傲慢さに塗れている2013/10/06
ラウリスタ~
20
1年前に読んだときはあまりの退屈さに投げ出したのですが、今回3ヶ月ほどかけて夜に少しずつ読んできました。どんなに一日が無意味だったと感じた日でも、頭が痛くて寝たいときでも、これを読めば一日生きてきてよかったと感じることができます。哲学者や運動家としてのサルトルはまだよくわからないですが、『作家』サルトルは大好きです。どの一ページを読むだけでも、理想の文章が見つかります。原書も買ったので、早くフランス語に精通して読めるようになりたい。2010/04/22
loanmeadime
18
少し前の新聞の読書欄で「カミュ派かサルトル派か」という特集をやっていました。学生の頃に異邦人やペストなどカミュの著作は数冊読みましたが、サルトルの方は読んだことがなかったので、読んでみました。日曜日のブ-ヴィルの描写や独学者が図書館を追放されるシーンの緊迫感など、読み物としてのクオリティを感じさせる部分も多い一方、マロニエの根本で「存在」に関して思索する有名なシーンは頭にしまい込むのが難しく、一つの文章を何度も読みなおしながら、どうにか進みました。2022/11/04
future4227
17
孤独な主人公の何事もなく過ぎ去っていく日々が日記形式で綴られていく。人間観察や事物観察を通して実存とは何かをひたすら突き詰めているようなのだが、何が言いたいのかさっぱりわからん。難しすぎ。ノーベル文学賞受賞を辞退するほどの人だからなぁ。凡人の私には到底理解が及びません。2015/12/09