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出版社内容情報
神話に包まれた孤高の画家の、批判と美術史とが稀有なかたちで結晶した、本邦初のモノグラフ。
内容説明
ジョルジョ・モランディの生と芸術は、画家自身と批評家=美術史家とによる合作である。神話につつまれた画家を同時代的文脈に丹念に位置づけなおし、過去と現在とが不思議と同居するその芸術の謎に肉薄する力作。批評と美術史とが稀有なかたちで結晶した本邦初のモノグラフ。
目次
第1章 呪われたモノグラフ
第2章 戦火の彼方
第3章 リアリズムと抽象主義のあいだ
第4章 抹殺された過去
資料
著者等紹介
岡田温司[オカダアツシ]
1954年生。京都大学大学院博士課程修了。京都大学大学院教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
72
須賀敦子が愛したモランディは、静謐で調和のとれた、堅固で厳格な古典性を備えた絵画を描くことで知られる。74年に亘る人生の多くをボローニャの室内のアトリエで質素な壺や壜たちを描いて過ごした。しかし晩年、既知の評論家の彼に関する書の出版を差し止めてしまう。それはなぜかという謎解きのような導入で一気に読ませる。その評論は彼の死後出版されたが、「形成されたフォルムの極」と「不定形なフォルムの極」との揺れ動きが論じられていた。「色彩と光と形態」を極める画家人生。普遍的に見えて、時代に敏感であった画家の姿を描き出す。2020/10/31
℃
2
E.H.コンブリッチの美術の物語に出てきた記述と図録から、この画家のことがとても気になってしまい、読みました。私が最初に見た絵は全体的に土色を帯びた背景や器のなかで、白い瓶がやわらかくぼんやりと浮き出ていて、何かを物語ったり象徴しているというよりも、そこにただあるという穏やかなリアリティが印象的でした。けれどもこの本を読み、この画家のほかの絵にも接すると、当たり前ですが、それがあまりにも僅かな部分しか見ていなかったことがわかりました。2013/11/23
メルセ・ひすい
2
14-75★厳粛、峻厳、幾何学、メランコリー、静謐[修道士]孤高の画家と呼ばれ、神話につつまれた 画家 モランディを同時代的文脈に丹念に位置づけなおし、過去と現在とが不思議と同居するその芸術の謎に肉薄する。批評と美術史が稀有なかたちで結晶したモノグラフ。1930年から`56までファシズム政権下から戦後の混乱と復興期まで26年間、ボローニャの美術アカデミーの版画講座の教授であった。いわく「孤高の芸術家」「時代を超越した芸術家」という自己認識。を標榜…その間、キュビズム~ポップ・アート が 2011/03/28
Motley
1
★★★2015/12/14
さかもとももこ
1
モランディ展の予習復習用に読んだ。時代的な理解をするのにとても良かった。2015/12/15