出版社内容情報
稀代の悪女・蒲生美智留。出会う人間すべてを狂わせる一人の悪魔の華麗なる一代記――。人気著者がおくる、傑作ミステリー!
内容説明
中学時代、いじめと病に絶望した野々宮恭子は従姉妹の蒲生美智留に命を救われる。美貌と明晰な頭脳を持つ彼女へ強烈な憧れを抱いてしまう恭子だが、それが地獄の始まりだった―。名誉、金、性的衝動…美しく成長した美智留は老若男女の欲望を残酷に操り、運命を次々に狂わせる。連続する悲劇の先に待つものは?史上最恐の悪女ミステリー!
著者等紹介
中山七里[ナカヤマシチリ]
1961年岐阜県生まれ。2009年、『さよならドビュッシー』で第8回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、翌年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SJW
219
いつもの中山さんの小説ならば、社会の不条理と問題点を並べて、鋭い指摘と小気味良い批判を聞きながら、そうだそうだと発散できるが、今回は違う。父親から虐待を受けて、不幸な生い立ちの蒲生美智瑠が美しく成長し、他人の欲望を操り運命を狂わせるという悪女ミステリー。生い立ちには同情するものの、その行動には苛立ちと憤りを感じてしまう。いつもの中山さんのどんでん返しは相変わらず唸ってしまった。2019/06/27
ナルピーチ
211
彼女は果たして悪魔か、それとも天使なのか…。戦慄のダークヒロインが此処に誕生。その相貌は上品でありながら蠱惑的。卓越した話術と美貌で幾人もの男女を手玉に取っては傀儡の様に操っていく。そんな彼女に関わってしまった者達の末路とは…。なんだろう、この緊迫感。息をするのも潜めてしまうこの感じはフィクションとは思えないリアリティがある。たまにこんなニュース観てる気がするのは気のせい?!稀代の悪女の物語はまだまだ始まったばかり。圧倒的な存在感を見せつけてどんな物語を読ませてくれるのだろうか。これは次作も楽しめそうだ。2022/06/05
修一郎
180
不愉快な主人公が登場するお話だと思っていて躊躇していましたけど全然大丈夫。美智留さん,振り切った悪女です。御本人が気にいらない奴をバサバサと陥れます。悪いやつがガンガンやられて爽快感。人の心を自由に繰る人心掌握術がお見事。スカッと潔いエンタメ路線でした。次,ふたたび嗤う淑女へ。2021/09/30
machi☺︎︎゛
129
絶世の美女、蒲生美智留。美貌だけでなく知性も兼ね備えてて隙のない完璧な女性。その美智留が決して自分の手は汚さずに周りの人間をうまく操り、自らの欲のために人を殺めていく。人を信じすぎる事も怖いことだ。 最後のどんでん返しからのどんでん返しはさすが中山七里さんらしく、面白かった!2019/08/09
JKD
116
蒲生美智留の凄惨な過去を背負い、生活プランナーという肩書で次々と人を貶めていく。巧妙な言説と人生訓で相手の心をわし掴みにし、本質を突いた後からコントロールしていく様は恐ろしいけど、ある意味もの凄いテクニックともいえる。狡知に長けた美智留の影なる悪意がジワジワと恐怖になっていく。あとがき漫画もシンプルで面白かったです。2017/12/27