内容説明
大学に、病院に、警察署に…突如現れる「市民サーヴィス課臨時出張所」。そこに座る年齢不詳の奇妙な男に、悩める市民たちはついつい相談を持ちかけてしまう。隣人の遺体が移動した?幸せ絶頂の母がなぜ突然鬱に?二股がバレた恋人との復縁はあり?小さな謎も大きな謎も、冷静かつ鋭い洞察力で腕貫男がさらりと解明!ユーモアたっぷりに描く連作ミステリ7編。
著者等紹介
西澤保彦[ニシザワヤスヒコ]
1960年高知県生まれ。95年に『解体諸因』でデビュー。本格ミステリとSF的手法を融合させた作品で人気を博す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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麦ちゃんの下僕
179
オーディオブックでの“読了”。全7話の連作短編集。各話の主人公が“謎”を抱え思い悩んでいると、決まってその行く手に“腕貫男”が座る「市民サーヴィス課臨時出張所」が設けられていて…という、“神出鬼没の安楽椅子探偵”という設定がユニークですね(笑) しかも全ての“謎”を腕貫男が解決するとは限らず、ヒントのみを与えて「では次の方どうぞ」とバッサリ相談を打ち切ったりするのも何だか斬新でした(笑) ミステリーとしての面白さは玉石混淆ですが…1・2・4・7話に登場する純也&葉子や6話の淳子などのキャラが好印象でした。2021/06/16
ダイ@2019.11.2~一時休止
132
腕貫探偵その1。安楽椅子探偵。すべてひとりで死ぬ女が良かった。2014/04/09
gonta19
90
2011/12/4 Amazonより届く。2015/4/10〜4/13西澤さんの新シリーズ。櫃洗市の様々な場所に現れて、相談者の抱える謎にサクサク答える謎の腕貫男。西澤作品は変わった設定が多いが、こんなパターンがあったか。イヤイヤ盲点を突かれたなあ。面白い。シリーズ次作も楽しみ。2015/04/13
Yobata
79
大学,病院,商店街,警察署と櫃洗市の至る所に現れるどんな意見や悩みも受け付ける「市民サーヴィス課臨時出張所」。そこに座る腕貫の男に持ちかけられる様々な謎をことごとく解決していく…。安楽椅子探偵連作ミステリ。安楽椅子探偵ではあるものの普通とは一味違って、公務員が探偵,さらには神出鬼没という一風変わった安楽椅子探偵。公務員ということで対応がかなり書類的,事務的で淡々としているけど、ちゃんと感情的な考えの推理だし、見抜く洞察力は見事。最後まで明かさずヒントだけ出して次の方どうぞはこれぞ公務員で探偵として斬新w→2015/04/05
真理そら
72
公務員の腕貫さんは安楽椅子探偵なのだが、ワンポイントアドバイスをくれるだけで淡々とお仕事しているのがいかにも公務員的なイメージでおもしろい。読む順序をまちがえたのでユリエさんがいないのが寂しいという気分で読了。2024/02/21